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世界絶賛の超傑作!最高に面白い北野武監督映画(4)。凄すぎる究極の一作…虚無的な暴力と、濃厚な死の匂い

text by 編集部

2023年3月15日、6年ぶりとなる最新作『首』の記者会見を行った北野武。配給元とのゴタゴタもあり、当初はお蔵入りもささやかれた同作だが、とりあえずは一安心といったところだろう。本記事では、今秋の上映に先立ち、北野武作品の魅力を存分に紹介する。

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虚無的な暴力と、濃厚な死の匂い-
北野武の名を世界に知らしめた傑作

『ソナチネ』(1993)


出典:Amazon

【作品内容】

東京でヤクザ稼業を営む村川組組長・村川は、ある日、恩義ある親分から沖縄の抗争に加勢するよう頼まれ、部下の片桐やケンとともに沖縄へ向かう。しかし彼らが来たことで抗争は激化。一人、また一人と手下たちが命を落としていく。海辺の廃屋に身を寄せた彼らは、一転童心に帰り、他愛もない遊びを繰り広げる。

北野武監督作「ソナチネ」のワンシーン
ソナチネのワンシーンGetty Images

【注目ポイント】

本作は、石垣島を舞台にヤクザたちの生態を描いた作品。カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品されたほか、イギリスBBCの「21世紀の残したい映画100本」に選出され、ヨーロッパのキタノ人気に火をつけた作品としても知られている。

北野映画史上最高傑作の呼び声が高い本作。とりわけ注目は、後半の海辺のシーンだろう。暇を持て余し海辺でロシアンルーレットや人間紙相撲に講じる彼らのもとに、彼らの遊びを邪魔するかのように殺し屋が放たれる。抜けるように青い沖縄の空と海、唐突に訪れる死のコントラストが、作品に凄みを与えている。

また、バイオレンス描写も独特。スナックでの銃撃戦のシーンでは、村川たちは逃げも隠れもせず、ひたすら棒立ちで銃を撃ち続ける。その姿はまるで「突っ立った死体」であるかのような異様さを醸し出している。

なお、北野は本作の制作から2年後、バイク事故を起こし瀕死の重傷を負う。後に「バイク事故は自殺だった」とも述べている北野。それを考えると本作は、彼のギリギリの死生観が現れた作品だと言えるかもしれない。

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