世界絶賛の超傑作!最高に面白い北野武監督映画(5)。ヤクザ映画の頂点! 映画史に名を残す怒号と暴力の連鎖
text by 編集部
2023年3月15日、6年ぶりとなる最新作『首』の記者会見を行った北野武。配給元とのゴタゴタもあり、当初はお蔵入りもささやかれた同作だが、とりあえずは一安心といったところだろう。本記事では、今秋の上映に先立ち、北野武作品の魅力を存分に紹介する。
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ヤクザたちの怒号が飛び交う北野版“仁義なき戦い”
『アウトレイジ』(2012)
【作品内容】
関東一円を仕切る巨大暴力団組織、山王会の若頭・加藤は、傘下の池元組組長・池元に弱小ヤクザの村瀬組を締めるよう命じ、池元は、厄介な仕事を配下の大友組に押し付ける。嫌々ながらも村瀬の締め上げにかかる大友。しかし、これは血で血を洗う権力闘争の序章にすぎなかったー。
【注目ポイント】
本作は、北野武がヤクザの熾烈な権力闘争を描いたバイオレンス・アクション。大友役のビートたけしのほか、三浦友和、椎名桔平、加瀬亮、小日向文世ら豪華キャストが名を連ねる。
『TAKESHI’S』(2005年)、『監督・はんざい!』(2007年)、『アキレスと亀』(2008年)と、自らの芸術家としての苦悩を描出してきた北野。本作では、まるで吹っ切れたように、バイオレンスに回帰している。
しかし、本作では、『ソナチネ』(1993年)や『HANA-BI』(1997年)で見られた寡黙な世界観と突発的な暴力は鳴りをひそめており、全編がヤクザたちの怒号の応酬と残虐な暴力で埋め尽くされている。
なお、本作は『アウトレイジ』の好調を機に、『アウトレイジ ビヨンド』(2012年)『アウトレイジ最終章』(2017年)とシリーズ化され、西田敏行、大森南朋、松重豊ら、が登場。ヤクザエンターテインメントの決定版として映画史に名を残すことになった。
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