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史上最低のTVドラマ劇場版は? 大失敗の日本映画(2)低視聴率の単なる「おバカ映画」…主演も呆れる大爆死

text by 編集部

今まで、数えきれないほどのテレビドラマの劇場版が制作されてきた。ドラマ版が面白かったからといって、劇場版も面白いとはかぎらない。今回は、漫画が原作の学園サスペンスや、有名子役の出世作、琉球王朝が舞台の壮大な時代劇など、テレビドラマの劇場版作品の中でも、ファンの期待に応えられなかった作品を5本ピックアップした。

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「バカバカしい、あり得ない設定」
堂本光一主演の単なる「おバカ映画」

『銀幕版 スシ王子! ~ニューヨークへ行く~』(2008)


出典:Amazon

上映時間:114分
監督:堤幸彦
脚本:河原雅彦
キャスト:堂本光一、中丸雄一、釈由美子、石原さとみ、伊原剛志、北大路欣也、平良とみ
テレビドラマ版:『スシ王子!』2007/7月~9月(金曜23:15~)
製作局:テレビ朝日

【あらすじ】

日本での修行を続けていた“スシ王子”こと天才寿司職人の米寿司(堂本光一)は、自然流琉球唐手の師範である武留守リリー(平良とみ)のアドバイスを受け、ニューヨークに店を構える俵源五郎(北大路欣也)に弟子入りするためにアメリカへと渡る。俵に弟子入りを断られながらも、次第に指南を受けられるようになっていく米寿司だったが、俵の店はペペロンチーノ一味というマフィア集団に狙われており…。

【注目ポイント】

女優の石原さとみ
石原さとみGetty Images

かつて天才少年寿司職人「スシ王子」の異名を取っていたものの、父と祖父の事故死がきっかけで寿司の世界を去り、宮古島で自然流琉球唐手の師範・武留守リリー(平良とみ)の下で修業に励む青年・米寿司(堂本光一)が、自然流の奥義を学ぶため寿司の世界に舞い戻り、旅の途中で出会う刺客たちと寿司勝負を繰り広げる…。という、映画『ベスト・キッド』をパロディー化したようなアクションコメディーだ。

テレビドラマ版放送前から映画化が決定していたとみられ、ドラマ版は劇場版のエピソード0という位置づけで製作された。劇場版の撮影は、ドラマ放送開始前にクランクアップしており、最終話は映画に繋がるエンディングとなっている。

テレビドラマ版の平均視聴率は7.5%と、深夜時間帯としては悪くないものだったのに対し、映画版の興行収入は約3億6500万円と、“大コケ”ともいえる惨憺たる結果に終わった。

原作のないオリジナル脚本で、“映画ありきのドラマ放送”というスタイルをとった場合、ドラマが話題にならないと、映画は単なる“不人気ドラマの映画化”という状況になる。堂本光一という人気アイドルを擁した本作においても、そうした”負けパターン”を回避することはできなかった。

テレビドラマ版が大した出来栄えではなかったことを考えると、劇場版が成功する可能性は最初から低かったと言えるだろう。しかしながら、テレビ局、ジャニーズ事務所などといったステークホルダーの関係性を考えると、ストップをかけようにもかけられなかったという複雑な事情も見え隠れする。

主演の堂本光一は、アクションシーンなどで奮闘している。しかし、それによって、アクション映画なのか、コメディードラマなのかさっぱりわからないという、コンセプトの曖昧さを際立たせ、単なる「おバカ映画」とカテゴライズされている結果に。

堂本自身も「バカバカしい、あり得ない設定」と語った本作は、案の定、惨敗し、堂本光一は以後、映画に出演していない。

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