史上最高のTVドラマ劇場版は? 大成功の日本映画(2)。医療ドラマの金字塔! 綿密な設定で93億円を記録
テレビドラマが映画化されるというと、やはりドラマ版よりも壮大な映像や物語のスケール、迫力が楽しめるのは魅力だろう。近頃は特にテレビドラマから映画作品を作る傾向が増えており、なかにはドラマは不人気なのに映画化を決行するパターンもあるようだ。今回は、そんなテレビドラマの映画化作品のうち、特に成功したといえる傑作を5本セレクトした。
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大事故の迫力と医療従事者のリアルな群像劇が大ヒット
『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』(2018)
監督:西浦正記
脚本:安達奈緒子
キャスト:山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介
テレビドラマ版:『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』1stシーズン・2008/7/3~9/11(木曜22:00~)、2ndシーズン・2010/1/11~3/22(月曜21:00~)、3rdシーズン・2017/7/17~9/18(月曜21:00~)
製作局:フジテレビ
【あらすじ】
ドラマ版の3rdシーズンで起きた地下鉄トンネル崩落事故から3カ月が経った頃、藍沢耕作(山下智久)、白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)らフライトドクター、フライトナース達には別れの時が近づいていた。
そんな中、成田国際空港での航空機の緊急着陸と、東京湾アクアライン海ほたるでの巨大フェリー衝突事故が立て続けに発生。出動要請を受けてドクターヘリで現場に向かった藍沢達には、前例のない過酷な現場が待ち受けており…。
【注目ポイント】
綿密な取材を重ね、医療従事者からも高い評価を得た本格的医療ドラマである本作は、1st、2nd、3rdと全32話にも及ぶロングランのストーリーだ。全てのストーリーが連続しており、登場人物も多く、その中の人間関係も多彩なところがこの作品の見どころでもある。
「ドクターヘリ」をストーリーの中心としながらも、救急医療の過酷な現場、尊厳死の是非、患者の自殺など、医師あるいは看護師としての職務と、自分の人生との間で葛藤しつつ、救急救命や災害医療に奮闘する姿を描いている。
映画版も、ドラマ版と同様に翔陽大学附属北部病院救命救急センターを舞台としており、映画版は、3rdシーズンで描かれた地下鉄トンネル崩落事故から3か月後という設定となっている。
成田空港での飛行機事故と、東京湾でフェリーの海ほたる衝突事故が相次いで発生し、フライトドクターである藍沢(山下智久)、白石(新垣結衣)、緋山(戸田恵梨香)らが困難に立ち向かっていくというストーリーだ。
相次ぐ大事故のシーンの描写は、映画版ならではの迫力だが、単にスケールアップを狙った大味な作品にはせずに、若き医療従事者たちの群像劇という物語の軸はぶれることなく、1stシーズンから数えると10年にもわたる成長の姿を描かれている。
興行収入約93億円という大ヒットを記録し、『名探偵コナン ゼロの執行人』『映画ドラえもん のび太の宝島』という人気アニメ作品を抑え、2018年の邦画・洋画を通じて1位となった。これは、興収100億円を超えた『踊る大捜査線』シリーズに次ぐ数字となっている。
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