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「バカにしやがって!」原作者がブチギレた名作映画(2)。観てないのに激怒!? 改変だらけに酷評&強烈批判

text by 寺島武志

莫大な予算をかけて製作される海外映画。そのクオリティーは素晴らしく、人々の記憶に残る名作として受け継がれていく。しかし作品としての出来は良くても、原作者の意向を無視して激怒させてしまったという危うい作品もある。今回はキャラクターや脚本の大幅な改変、キャスティング問題などが原因で原作者が激怒した海外映画を5本紹介する。(文・寺島武志)

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「自分のライフワークを踏みにじられた」
ストーリーの改変に原作者がブチギレ

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(2010)


出典:Amazon

原題:Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief
製作国:アメリカ
原作:リック・リオーダン
監督:クリス・コロンバス
脚本:クレイグ・ティトリー
キャスト:ローガン・ラーマン、ブランドン・T・ジャクソン、アレクサンドラ・ダダリオ、ジェイク・アベル、キャサリン・キーナー、ピアース・ブロスナ、マリア・オルセン、ユマ・サーマン

【作品内容】

高校生のパーシーは、父親を知らずに育った。ある日、ブルナー先生に引率され訪れたギリシア・ローマ博物館で、ハデスから〝ゼウスの稲妻〟を盗んだ犯人扱いされ、襲われる。ブルナー先生と、親友のグローバーに助けられ、2人に“訓練所”に連れていかれる。
そこは神と人間のハーフである“デミゴット”が戦いの訓練を行っている場所だった…。

【注目ポイント】

クリス・コロンバス監督
クリスコロンバス監督Getty Images

本作は、推理小説や児童文学を得意とする米国の小説家、リック・リオーダンによる原作の映画化作品。

神と人間のハーフだと知った少年が、自分に掛けられた疑いを晴らし、神々の戦いを阻止するため仲間とともに奮闘するファンタジーに満ちたSFアドベンチャー作品に仕上がっている。

メガホンを取ったのは『ハリー・ポッター』シリーズでしられるクリス・コロンバスだ。作品を通して、幻想的な映像が目を引く。

リオーダンはデビュー作が権威あるアンソニー賞、シェイマス賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げている。加えて、もともとは自身もこの物語の土台ともいえるギリシャ神話を教えていた教師だった。

この物語の原形は、息子が眠りにつく前に、ひらめくままにベッドで話したおとぎ話だという。この物語を気に入った息子の勧めもあって、一冊の書にまとめ、同書はベストセラーとなる。アメリカではあの『ハリー・ポッター』を上回る人気を集め、品薄状態となってしまったほどだという。

リオーダンは映画化の話には驚いたそうで「物語が壮大すぎて実現しないと思っていた」と語っている。また、コロンバス監督や主人公のローガン・ラーマンを全面的に信頼し「多少アドバイスした程度で監督に任せていた」とも話している。

しかし、このことが後になって、大きなトラブルに発展する。

執筆活動で忙しく、完成した作品をチェックしていなかったリオーダン自身にも責任の一端はあろうが、キャラクター設定やストーリーそのものを大きく改変された映画版を観賞し、「自分のライフワークを踏みにじられた」と酷評したのだ。

返す刀で、米国のDisney+で配信された同映画の一部シーンがカットされていたことにも触れ「間違っている」と怒りの声を上げる。「俳優がこんなことに巻き込まれたのが残念」と製作サイドに強烈な批判を浴びせた。

しかしながら、リオーダンはこれらの事実を、原作ファンからの投稿で知ったと告白している。自身は、自らが原作の映画を「見るつもりはない」というスタンスなのだ。

このリオーダンの一連の行動について、映画の原作者としていかがなものかという疑問も残るが、製作サイドとのボタンの掛け違いは、起きるべくして起きたともいえそうだ。

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