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「クランクアップ後は泣き崩れた」映画『GONZA』で“2つの内面”を演じ分けた注目の若手女優・坂巻有紗、独占インタビュー

text by ZAKKY

映画『GONZA』は、ゲーム製作会社の研修センターにて、5人の新入社員の精神が入れ替わる騒動が描かれた、ラブコメディである。漫画『サトラレ」』の作者・佐藤マコトが原案、ドラマ『HiGH&LOW』シーズン1の千村利光が監督と脚本を担当。今回は外見はヒロイン・ナディア、内面は主人公・拓海という難役を演じた坂巻有紗さんのインタビューをお届けする。(文・ZAKKY)

「ディスカッションをしながら役を作っていった」
異なる性別のキャラクターを見事に演じ分ける

撮影:宮城夏子
撮影宮城夏子

―――本作ではとても難しい役柄を演じられましたね。

「そうですね(笑)。言ってみれば、1人2役で、素のナディアを2割、中身は拓海の状態のナディアを8割ほどでしたから。上村君とはお互いが思う、ナディア、拓海像をすり合わせながら、役作りをしました。お互い自分が男性だったら、女性だったら、どんな所作をするのか? どんな話し方をするか?など、ディスカッションをしながらの役づくりというのは初めての経験でしたが、楽しかったです。

上村君は、私が思っている以上のナディアを演じていて、さすがだなあと(笑)。一緒に同じ職場のチームとして働いている設定である他の3人のキャラクターたちも、各々、中身が入れ替わっているわけですが、皆さんの演技力にも圧倒されましたね」

―――坂巻さんの拓海への豹変ぶりも、凄かったですよ。

「ありがとうございます! この映画のオーディションを受けた時点で違う人格になるキャラクターだということは知ってはいたのですが、脚本を読んだ時点で、各々のキャラクター像が立っていて、ワクワクしましたね。

『中身は拓海』を演じるに当たって、上村君の歩き方や立ち振る舞いだけでなく、プライベートの過ごし方なども聞いて、参考にしました。何がどうとはここでは言えませんが、上村君の助言や彼の存在そのものが、役を演じる上で支えになりました」

―――演じながら、ナディアと拓海の気持ちが混在することはなかったですか?

「ありました! 演じている最中というか、演じた後でしょうか。例えば、中身は拓海パートを演じた後に、感情が爆発して、拓海の人格のままで、周囲の演者やスタッフに泣きついたり(笑)」

―――興味深いですね~!

「あと、精神が入れ替わる5人のチームは、LBGTQや車椅子ユーザーなど、様々な個性を抱えています。現代だからこそのあるべき社会のコミュニティーが描かれているという部分も、観てほしいですね。個人的には、昨年の8月に撮ったので、少し懐かしいとも感じているんです」

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