史上最高のディストピア系SF日本映画は? 最悪の未来を描く問題作(3)。脚本は残念だが…主演級が揃う話題のAI映画
text by 編集部
ChatGPTをはじめ、近年目覚ましい進化を遂げているAI(人工知能)。2023年3月には、イーロン・マスクらがAI開発の停止を要請し話題になった。かつてSF映画で見たようなディストピアは、もしかしたら近くまで来ているのかもしれない。今回は、現代社会に警鐘を鳴らすディストピア作品5作を紹介する。
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AI(人工知能)VS 人間!
近未来の日本を舞台とした逃走劇
『AI崩壊』(2020年)
監督 : 入江悠
キャスト : 大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典、高嶋政宏、芦名星
【作品内容】
2030年の日本。天才科学者・桐生浩介が開発した医療AI「のぞみ」は、年齢や病歴といったユーザーの個人データを収集・分析し、社会インフラとして欠かせない存在になっていた。ある日、「のぞみ」が突如暴走し、生きる価値のある人間とない人間の選別を始める。責任を問われた桐生たちは、「のぞみ」の暴走を止めるため、事態の収拾に乗り出すが…。
【注目ポイント】
本作は、AI(人工知能)の進化がもたらす人間社会の混乱を描いたSF映画。監督・脚本は『SR サイタマノラッパー』シリーズで知られる入江悠で、主演の桐生浩介を大沢たかおをはじめ、賀来賢人、広瀬アリス、岩田剛典ら、主演級の俳優が顔を揃える。
今話題のAIを描いたことで話題を集めた本作。しかし、AIはあくまで設定上のギミックであり、メインストーリーはあくまで桐生たちのハラハラドキドキの逃走劇にある。また、この逃走劇自体は脚本にあまり捻りがなく、物語的に早い段階で結末や犯人の予想がつくのがいささか残念だ。
なお、本作には、失業者の増加や金融の暴落など、AI社会が抱える問題点がこれでもかと描かれている。こういった設定は、AIが浸透しつつある現代では決して絵空事では片づけられない問題だろう。
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