「馬の首」にまつわる重要キャラのモデルは…? 映画『ゴッドファーザー』に不服を訴えた伝説の歌手と脚本家の場外バトル
映画関係者、映画ファンなど、数多くの人が史上最高の映画の1つと認定する映画『ゴッド・ファーザー』(1972)。公開されるや当時の興行記録を塗り替える大ヒットを記録。そんな伝説的な映画作品の内容に、不服を唱える者がいた。それが人気歌手フランク・シナトラだ。今回は現地メディアを参考に、その詳細を解説する。
フランク・シナトラがモデル?
マフィアとの関係も
映画『ゴッド・ファーザー』(1972)は、同年度のアカデミー賞で、9部門にノミネート。作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞、劇伴は同年度のグラミー賞、映画・テレビサウンドトラック部門を受賞。先駆的作品と捉えられ、その名は世界に広まった。
しかし、米colliderによると、エンターテインメント業界の大スターでジャズ歌手、俳優のフランク・シナトラは、当初この映画に不服を唱えていたようだ。映画『ゴッドファーザー』の大ヒットを受け、人気歌手のシナトラは”ある登場人物”のせいで、この物語に恨みを抱くようになる。
それは俳優アル・マルティーノが演じる、女たらしで、落ち目の中年歌手ジョニー・フォンタンだ。このキャラクターは、歌手フランク・シナトラに不気味な程に酷似していると問題になり、今日に至るまで映画学者達や映画ファンの間で議論され、論争を呼んでいるのだ。
登場人物ジョニー・フォンタンは、本作の壮大な物語の中では、比較的脇役のように映る。しかしこのキャラクターは、重要なシーンに絡む存在でもある。
『ゴッドファーザー』の数ある名シーンの中でも、1,2を争うほど有名なシーンは「馬の首」の場面だろう。その内容はこうだ。かつては歌手として大スターだったフォンタンの人気は下降するばかり。映画に出演し、キャリアの立て直しを図ろうと試みるも、ハリウッドの撮影スタジオのボスであり、映画へのキャスティング権を握るジャック・ウォルツは、フォンタンに仕事を与えようとしない。理由は、彼が手塩にかけた女優の卵を、フォンタンが誘惑して、自分の愛人にしてしまったからである。
そこでフォンタンは、自分の名付け親であり、ニューヨーク・マフィア界のトップに君臨するドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)に頼る。コルレオーネは、相談役のトム・ハーゲン(ロバート・デュバル)をハリウッドに向かわせ、ウォルツと交渉する。しかし、ウォルツはフォンタンを絶対に映画には出さないと断言。数日後、ウォルツはおびただしい血にまみれた姿で目を覚ます。ベッドの足元には、彼が何より大切にしていた60万ドルの競走馬の生首がころがっていた…。