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「仕上がりを観て満足した」映画『パラフィリア・サークル』俳優・玉城裕規独占インタビュー。2.5次元ステージから銀幕へ

text by ZAKKY

崖っぷちの小説家を主人公に、複数の登場人物の運命が濃厚に絡み合う、サスペンス映画『パラフィリア・サークル』が公開中だ。元々は短編オムニバスだったアイデアを原作・脚本の光伸春が一つの物語に集約した意欲作。今回は主演を務める玉城裕規さんのインタビューをお届けする。(文・ZAKKY)

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【映画『パラフィリア・サークル』あらすじ】

小説家の玉川健斗(玉城裕規)は、デビュー作のヒット後、泣かず飛ばずの状態が続いていた。文芸誌編集長の三河(三浦浩一)に「小説にリアリティがない」と叱責された最中、妻に勧められてサスペンス小説に挑もうとする。そして、自らの小説のネタのためネットで知り合った「サイコパス狩り」の男と出会い、彼が殺したとされる人々の話を聞くことに。

サディストであるエリート弁護士の栗野宗一(縣 豪紀)、マゾフィストの大学生・森瀬京(瀬戸啓太)、異常な性癖を持つサラリーマン・佐川貴史(川上将大)。彼らは、どこかで交錯してゆく。

独自の観察眼を活かし小説家になりきる

撮影:舛元清香
撮影舛元清香

―――まず、役作りについてお聞きします。物語後半は現実なのか、玉川の精神が崩壊した上での妄想なのかわかからないような描写がなされています。2人の玉川の人格を分けようという意識はありましたか?

「あえて分けようとはしませんでした。極力何も考えないで、そのシーン、その時の空気感でどっちの玉川にも入り込んで演じれば、上手く落とし込めるのではないかと思いながら演じていましたね。

どちらの玉川を演じる上でも、例えば何で自分は今ここにいるのだろう? なぜ、こんな行動を取り、こんな言動を発したのだろう?ということを、演じ終わるまで自分でもわからないような精神状態に持っていったことによって、結果的にはよかったと思います」

―――玉川の猫背な姿勢が、妙に印象に残りました。

「姿勢に関しては役作りとして、明確に意識しましたね。いや、知り合いの作家や脚本家の皆さん、職業病的に猫背の方が多いんですね。だから勝手に参考にさせていただきました(笑)。ただ、僕なりにイメージした玉川の精神描写の表われでもあるんです。

この物語は彼が落ち目でスランプに陥っているシーンから始まりますが、デビュー当時は売れっ子だったわけです。世間からもてはやされていた時は、きっと背筋もスッとしていたのではないかと。そして作家として売れなくなるにつれ、段々と無気力で、前のめりの姿勢になっていったのではないか…という見解のもと、役づくりに励みました」

―――ああ、そういった意図が!

「とはいえ、猫背の作家さん=売れていないというわけではないですからね(笑)」

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