宮崎駿の期待に最も応えた声優は…? 映画『君たちはどう生きるか』、超豪華キャストの演技を徹底考察。配役の中心人物とは?
text by ZAKKY
宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』が公開中だ。宣伝を一切しなかったにもかかわらず大ヒット。一方、口コミに耳を傾けると「つまらない」「ひどい」といった声も。今回は山時聡真、木村拓哉、菅田将暉、あいみょんなど、メイン声優の演技にフォーカス。キャスティング理由も併せて考察する。【あらすじ 声優 考察 解説 評価 レビュー】(文・ZAKKY)
宮崎駿が非職業声優を起用するワケ
『風立ちぬ』(2013)から10年ぶりに宮崎駿が監督/脚本を手がける最新作『君たちはどう生きるか』が、遂に公開された。ストーリーから、キャスト、主題歌に至るまで、事前情報は、ほぼシャットアウト。アナウンスされていたのは宮崎が子どものころに感銘を受けた、吉野源三郎による小説『君たちはどう生きるか』からタイトルを拝借した、宮崎のオリジナルストーリーだということだけ。
筆者は公開3日目に劇場に足を運んだのだが、どうせなら、その時点で解禁されている情報もそれこそシャットアウトし、鑑賞に至った。今回は、声優陣のお芝居に着目して考察していこうと思う。
職業声優における大げさな演技があまり好きではないという宮崎は、これまでの作品でも非職業声優を多く起用。俳優どころか『となりのトトロ』(1988)ではコピーライターの糸井重里を、前作『風立ちぬ』(2013)では映画監督の庵野秀明をと、畑違いの人材を声優として起用するなど、独自の声優起用法にて、宮崎ワールドを作り上げてきた。
そんな前例もあり、今回は事前アナウンスがない状態で、一体誰がキャスティングされているのか?と、推理欲も込めて意気込んで鑑賞に挑んだ。
次のページからは主要声優陣の演技、キャスティング理由の考察をしていこう。