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「ノーラン監督の最高傑作」映画『オッペンハイマー』主演キリアン・マーフィーが脚本を絶賛。唯一無二である本編の内容とは?

text by 編集部

話題沸騰中のグレタ・ガーウィグ監督作『バービー』と、巨匠クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』。この2作品は批評家らから大絶賛を受け、興行的にも大きな成功を収めている。今回、『オッペンハイマー』の主演キリアン・マーフィーが、同作の脚本から受けた衝撃を語ったようだ。早速現地メディアを参考に、詳細を確かめていく。

異例の手法で描かれた映画『オッペンハイマー』の脚本とは?

キリアン・マーフィー
キリアンマーフィーGetty Images

ノーラン監督のファンや、映画好きの多く人々は、映画『テネット』(2020)や、映画『ダンケルク』(2017)、映画『インセプション』(2010)といった過去作品に続き、一体今回はどのように我々を驚かせてくれるのかと期待の声を上げている。

今回、映画『オッペンハイマー』の主役を演じる名俳優キリアン・マーフィーは、同作の脚本内容が、今までの脚本の中で最高クラスの出来となっており、ノーラン監督の新たな高みを約束するものになっていると話したようだ。

米Colliderによると、キリアン・マーフィーは以下のように話している。

「彼は一人称で脚本を書きました。それは私の心を揺さぶりました。ルイス・ストラウス(ロバート・ダウニー・Jr)の視点から客観的に描かれる白黒シーンの部分を除けば、全てが主人公オッペンハイマーの主観的な目を通して描かれています。これまで読んだ脚本の中で最高クラスの脚本です」

「例えば、脚本には『オッペンハイマーが部屋に入ってきてストラウスに話しかける』ではなく『私が部屋に入ってきて、ストラウスに話しかける』。そうやって書かれているんです」

キリアンが特に注目するのは、脚本が全て一人称で描かれており、主人公オッペンハイマーの目と心を通して物語が進む部分のようだ。そのため、キリアンは主人公オッペンハイマーという役柄の責任をより実感できたという。

また、キリアンは彼の経験上、一人称視点で書かれた脚本は他にないと話した。ノーラン監督は以前、英Empire誌に対して、一人称視点での脚本はこれまで一度もやったことがなく、彼が知る限り他の誰も挑戦したことがないものだと語っている。

つまりノーラン監督は、今まで製作してきた映画『インセプション』や『TENET/テネット』、『インターステラー』のような、時間軸を飛び越える彼の定番ジャンルから外れ、原爆を生んだ一人の男の伝記映画を製作する、という新たなジャンルへの試みだけでなく、”一人称視点”という、他の誰も挑戦してこなかった新しい映画作品の製作に挑戦しているのだ。

彼の挑戦の1つには、主人公オッペンハイマーが何を考え何を感じていたのか、その心理をより深く掘り下げ、観客に生々しく届けるという部分がある。彼の視点から物語を進めていくことで、主人公の見るものや感じていることがより強調される作品に仕上がっているのだ。

キリアンは「今に全ての脚本がこうなるだろうね。みんなノーラン監督の真似をするようになる」と、この脚本が与える影響についても話した。また、同作でキリアンと共演を果たしたベニー・サフディも、映画『オッペンハイマー』はノーラン監督の最高傑作だと語っている。

マンハッタン計画を主導し、アメリカのために原子爆弾を開発したことで知られる一人の男を描く映画『オッペンハイマー』。日本公開日は未だ未定となっている。

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