「自分が生み出す笑いのベースになっている」真空ジェシカ・ガクが偏愛する映画5選【私の人生を変えた珠玉の映画たち】
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語っていただくインタビュー企画。今回登場するのは、お笑いコンビ・真空ジェシカのガクさん。純粋に好きな映画を選んでいただき、その想いと熱は間違いないのだが、話の行方は、思わぬ方向に…!? (取材・文:ZAKKY)
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【真空ジェシカ/ガク プロフィール】
お笑いコンビ真空ジェシカのツッコミ担当。ボケは、川北 茂澄。M-1グランプリ2021・2022ファイナリスト。「芸人が見て面白い芸人」としての評価も高い。
「僕の感性の原点」
生まれて初めて観た映画
『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)
―――数あるジブリ作品の中でも、王道ではない作品が挙がりました。
「4歳のころに生まれて初めて観た映画ですね。家族で観に行ったのですが、僕は同時上映をしていた『ヤマトタケル』(日本神話をモチーフにしたSFロボットアニメ)を親に勧められて観ていて、兄は隣接するスクリーンで『ぽんぽこ』を観ていました。
今では考えられませんが、当時は同じ劇場内に2つスクリーンがあって、別々の映画を上映する施設があったんです。でも、『ヤマトタケル』は、4歳の僕にはあまりにも怖くて、気付けば、兄がいる『ぽんぽこ』のスクリーンに逃げていましたね(笑)。そしたら、ただ怖いだけの『ヤマトタケル』とはえらい違いで。
作品のメッセージ性はもちろん理解はできていなかったのですが、タヌキが人間に化けるのを観ているだけで楽しいし、タヌキが百鬼夜行のように行進していって人間に仕返しをする様を観て、子供心に興奮したのを覚えています。
でも、コミカルに描いてはいますが、すごく怖い話でもあるんですよね。後で紹介する映画にも共通するのですが、初めて観たこの映画が“怖くて楽しいストーリー”に心を動かされる、僕の感性の原点であることに、大人になってから気付きました」
―――親御さんはなぜ、『ヤマトタケル』をガクさんに観せたかったんでしょう? お兄さんと、観せるべき映画が逆のような気がしますが。
「僕、本名が岳(タケル)っていうんですよ。なので、名前の由来はおそらく親が好きであった“ヤマトタケル”から来ているのではないかと。だから、無理“矢理にでも観せたかったのではないかな。
実は、僕、諸事情あり、未だに親とは思春期のような関係が続いておりまして(笑)、めちゃくちゃ仲良しというわけではないんです。だから、僕の名前の由来が日本神話のヤマトタケルかどうかも、確かめたことがないので、憶測でしかないんです。ひょっとしたらこれまた親が好きであったであろう、漫画『がんばれ元気』の登場人物・火山 尊(ひやま たける)が、由来であるといった説もありますし(笑)。
結局、名前の由来もわからないまま『岳(たける)』を音読みにして『ガク』を芸名にしました。僕は、『たける』という名を捨てた『ガク』なんですよ(笑)」
―――すみません、何だか、触れてはいけないことを触れてしまったみたいで…。
「いえいえ! こちらこそ、すみません、『ぽんぽこ』関係ない話になってしまって。結局、あの時、『ぽんぽこ』が同時上映されていて、よかったという話です(笑)」