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実は酷評の名作映画は? アメリカで大爆死・日本で大ヒットの映画(2)トラウマえぐりすぎ! 面目丸潰れでNG

text by 編集部

日本人にもなじみ深い、アメリカやイギリスなど欧米各国の映画作品たち。日本で有名なあのヒット映画のなかには、意外にも製作国では敬遠されたり興行成績が全然振るわなかったりした作品もあるようだ。今回は、なぜか海を越えて本国よりも日本人の心を鷲掴みにした、アメリカで大コケしたのに日本でヒットした作品を5本ご紹介する。

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アメリカ的にNGだった有名アクションシリーズ第一作

『ランボー』(1982)


出典:Amazon

上映時間:97分
原題:First Blood
製作国:アメリカ
監督:テッド・コッチェフ
原作:ディヴィッド・マレル
脚本:マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイム、シルベスター・スタローン
キャスト:シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー、ジャック・スターレット、ビル・マッキニー、ジャック・スターレット

【作品内容】

ベトナム戦争の帰還兵であるランボー(シルベスター・スタローン)は、戦友を訪ねてワシントン州の田舎町を訪れる。そこでよそ者とみなされた彼は、高圧的な保安官らに連行される。

取り調べ中に嫌がらせや暴行を受けた彼は、戦時下での拷問がフラッシュバックし保安官らに反撃して打ち倒し、その場から逃亡。山中へと逃げ込み、警察との攻防戦を開始する。

【注目ポイント】

映画『ランボー』主演のシルベスター・スタローン
映画ランボー主演のシルベスタースタローンGetty Images

ディヴィッド・マレルの『一人だけの軍隊』を原作に、シルベスター・スタローンが脚本と主演を務め、37年の月日を経て最終章となる『ランボー ラスト・ブラッド』(2019)まで、実に5作もの続編が製作された『ランボー』シリーズ第1作。

反戦ムード一色のベトナム戦争後のアメリカを舞台に、社会から孤立したベトナム帰還兵ランボーの苦悩と孤独な戦いを描き、スタローンは本作の成功により、『ロッキー』シリーズと合わせ、アクションスターとしての地位を確立した。

しかし、当時のアメリカ社会では、ベトナム戦争からの帰還兵への偏見が強く残り、帰国後、仲間が死んでいたことを知らされた挙げ句、社会から疎外され、行き場を失った主人公が、母国アメリカの警察官を殺害するというストーリーが嫌悪の対象とされ、ヒットすることはなかった。

さらに、原題の『First Blood』には、“先に血を流させた者”が転じて「先制攻撃」という意味が込められており、ベトナム帰還兵の苦しみやアメリカの闇が描かれていることで、ベトナム戦争において事実上、敗走を余儀なくされたというアメリカ人全てが抱えるトラウマを思い出させるような描写も敬遠された一因だ。

その教訓からか、続編では、原題も『Rambo』に変え、その怒りの標的は、海外の紛争地に向くことになり、アフガニスタン、ミャンマー(ビルマ時代も含む)、メキシコを、舞台を変えながら内容も変化していき、本国アメリカでも受け入れられ、『ランボー』シリーズは、徐々にヒット作となっていく。

主演のスタローンは、ほぼノースタントで演じ、その生々しい戦闘シーンや人種差別の描写に関する批判を受けながらも、第1作から37年ものロングランのシリーズを生み出した。

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