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究極のマフィア映画は? 映画史に残る犯罪映画の傑作(4)。伝説級の金字塔! 名優たちが実在の殺し屋を描く

text by 編集部

映画史に燦然と輝くマフィア映画の数々。敵勢力との抗争に血道を上げ、死と隣り合わせの日々をおくるマフィアのエキサイティングな人生は、映画的という言葉にふさわしい。今回は、数あるマフィア映画の中から、重厚な物語と背筋の凍るようなスリルが味わえる傑作だけをセレクト。究極のマフィア映画たちをご紹介する。

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実在する伝説の殺し屋の人生を描く
巨匠・スコセッシ渾身のギャング映画

『アイリッシュマン』(2019)


出典:Amazon

製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ

【作品内容】

裏社会のボスに長年仕えていた元軍人の殺し屋・フランク。第2次世界大戦後のアメリカで、数々の悪人たちや凶悪組織と関わりを持ってきた彼が、犯罪と暴力にまみれた自らの半生を振り返る。

そんな中、現在も未解決となっている労働組合指導者ジミー・ホッファの失踪事件にまつわる秘密が明かされていく…。

【注目ポイント】

俳優のロバート・デ・ニーロ
俳優のロバートデニーロGetty Images

巨匠マーティン・スコセッシと、俳優ロバート・デ・ニーロが、『カジノ』以来22年ぶり9度目のタッグを組んだ作品。脚本は、映画『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)で、脚本・製作総指揮を務めたスティーブン・ザイリアンが担当した。

本作は、1920年生まれの殺し屋、フランク・シーランが死ぬ前に語った回想録『I Heard You Paint House(直訳:私はあなたが家の壁を塗ると聞いた)』(1999)を原作として製作された、彼の生涯を描いた自伝的作品だ。

伝説のマフィア、ラッセル・バッファリーノに仕えた実在の人物であり、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされる殺し屋フランク・シーランを演じるのは、ロバート・デ・ニーロ。

他、ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ、ラッセル・バッファリーノ役のジョー・ペシと、ハリウッドのレジェンド級俳優が豪華共演。

第92回アカデミー賞で作品賞や監督賞のほか、パチーノとペシが揃って、助演男優賞にノミネートされるなど、9部門10ノミネートを果たした。

本作では、目まぐるしい展開で知られるスコセッシ監督の他の犯罪映画に比べると、ゆったりとストーリーが進行する。しかし、そうした語り口は、この映画で描かれている「年齢を重ねること」、「人生の終わりに近づくこと」というテーマと深く関わっている。

『グッドフェローズ』に代表されるジェットコースターのようなストーリー展開を期待すると肩透かしをくらうが、映画作家として円熟に差し掛かったスコセッシにしか表現し得ない、細部の描写の充実っぷりが存分に堪能できる作品となっている。

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