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日本最高の演技派お笑い芸人は? 芝居が上手いコメディアン5選。役者顔負けの演技力に脱帽…映画界で活躍する逸材たち

コントに漫才、バラエティ番組で、お茶の間の私たちに笑いと元気を与えてくれる芸人。彼らは、映画の世界にも、大きな影響を及ぼす存在である。ある者はコントで培った演技力、ある者は芸人としての存在感で、映画の中で重要な役割を果たす。今回は、笑いの舞台を飛び出し、映画で活躍する、演技が上手い芸人を5人セレクトして紹介する。

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テレビで引っ張りだこのレジェンド落語家
お芝居の実力も段違い

笑福亭鶴瓶『ディア・ドクター』(2009)

笑福亭鶴瓶
笑福亭鶴瓶Getty Images

原作:西川美和
監督:西川美和
脚本:西川美和
出演:笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、井川遥、香川照之、八千草薫

【作品内容】

山間部に位置する小さな村にいる唯一の医者・伊野(笑福亭鶴瓶)。伊野はあらゆる診療を一手に引き受け、村人から絶大な信頼を寄せられていた。

ある日、伊野は、かづ子(八千草薫)の診療を受けたことにより、隠していた嘘がバレてしまう…。

【注目ポイント】

本作は、病気や死など、重めのテーマを扱いながらも、コミカルでユーモラスな作品に仕上がっている。そうした重みが軽みへと昇華したのは、ひとえに鶴瓶のコメディアンとしての性分とから滲み出る優しさがあってのこと。

作品で見せる鶴瓶の、目尻がほっぺたまで垂れ下がりそうな笑顔と、病人に寄り添う優しい声を聞いていると、自分も物語の中の村人になったかのように、安心感を覚える。

とはいえ、伊野という医師の役は、ただ“優しそうに見える”というだけでは務まらない。鶴瓶の目は優しさを感じさせると同時に、何を考えているかわからない、ある種の不気味さがあり、矛盾を抱えた医師・伊野という役柄に深い陰影を与えている。

本作を監督した西川美和監督も、鶴瓶の芝居を絶賛すると同時に、鶴瓶は作品の外でまで伊野だったと話している。伊野は小さな嘘をつくが、それは人を傷つけないための嘘でもあり、鶴瓶も人を傷つけないための小さな嘘をつくというのだ。

物語の中で伊野がついた嘘は許されるものではないが、この映画は、人の優しさについて考えさせてくれる。

昨今のネット社会では、何か一つ間違えたことをした者がいれば、揚げ足を取り、追い詰め、非を認めるまで許さない風潮が蔓延している。

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