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日本映画史に残る俳優降板トラブル…悪夢を見たワケあり邦画(3)大炎上が理由?突如降板の窮地を救ったのは?

text by 寺島武志

病気や怪我、はたまた役者の突然の芸能界引退…。スケジュールの厳しい撮影期間中、役者の急な降板トラブルは意外と多い。しかしそのピンチを、代役の俳優が思わぬファインプレーで作品を成功に導くことも。今回は邦画から代役を見事にこなした作品を5本セレクト。降板理由を交えて紹介する。(文・寺島武志)

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真木よう子が撮影前日に突如降板!
難役を引き継ぎファインプレー

降板→真木よう子 代役→板谷由夏
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018)


出典:Amazon

上映時間:118分
監督:大根仁
脚本:大根仁
キャスト:篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザ、山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生、三浦春馬、リリー・フランキー、板谷由夏

【作品内容】

「サニー」と称する女子高生グループの6人は、かけがえのない青春時代を送っていたが、その20年後、彼女たちは数々の困難と問題を抱えていた。末期がんに倒れる友人(板谷由夏)の「死ぬ前にもう一度だけみんなに会いたい」という願いを叶えるため、あの頃のメンバーが再会を果たす。

【注目ポイント】

(左から)真木よう子、板谷由夏
左から真木よう子板谷由夏Getty Images

篠原涼子、広瀬すずのほか、超豪華女優陣が脇を固めている。音楽は90年代を代表するヒットメーカー小室哲哉が担当。彼の引退最後の映画音楽となった作品でもある。

2011年に韓国で上映され、観客動員数740万人を記録し、日本でも話題になった『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク版であり、舞台を日本に移し、篠原涼子、広瀬すずを主演として起用したリメイク作品だ。

この作品で、「サニー」の一員として出演する予定だった真木よう子は、クランクイン直前に突然の降板。原因は「体調不良のため」とされた。

ちなみに、真木は前年、コミックマーケットで頒布するための自身のフォトマガジン製作費をクラウドファンディングで募ったことで批判を浴び、出展を撤回し謝罪。その後、フォトマガジンの製作も中止となっていた。

急遽、真木の代役に指名されたのは、1975年生まれの女優・板谷由夏。末期がんで死期の迫った女性という難役を急きょ受け継いだ形だが、主役級のキャストが名前を連ねる中、堂々と悲劇のヒロインを演じ切っている。

板谷が演じた伊藤芹香というキャラクターの高校時代を演じたのは、女優の山本舞香。キリっとした眼差し、芯のある発声など、山本と板谷には共通点があり、急ごしらえのキャスティングにもかかわらず、作品の世界観をキープすることに成功している。

韓国映画のリメイクでありながらも、ジャパニーズカルチャーをふんだんに盛り込んでおり、バブル期に青春時代を送った世代の女性には、ノスタルジックな感情をもって受け入れられた作品となった。

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