『silent』スタッフが再集結を果たしたドラマ『いちばんすきな花』（フジテレビ系）が、12日よりスタートした。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠主演で “男女間の友情”をテーマに、4人の感情を丁寧に描く本作。今回は、1話のレビューをお届けする。（文・あまのさき）【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール：あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

「2人組」に苦手意識を持つ男女4名
それぞれの孤独とは

このドラマの放送を、いまや遅しと待っていた人も多いだろう。

昨秋に放送されたドラマ『silent』（フジテレビ系）で一躍名をはせた脚本家の生方美久と、同作プロデューサーの村瀬健が再びタッグを組む。しかも“クアトロ主演”は多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4人が務める。

これだけの要素が揃った期待値爆上がりのドラマ『いちばんすきな花』（フジテレビ系）が、10月12日、ついに世に放たれた。結論から言えば、高まった期待値も難なく超えていく、翌週が楽しみになる1話だったと思う。

まず、前述したとおり、主演に配されたのは人気、実力ともに十分の4人。彼らはそれぞれに、それぞれなりの孤独を抱えている役を好演する。

例えば多部演じる「2人組を作るのが苦手」な潮ゆくえは、高校時代にやっと見つけたなんでも話せる無二の親友・赤田鼓太郎（仲野太賀）を、相手の結婚を機に失ってしまう。2人は頻繁にカラオケで会っていたが、そこに恋愛感情は介在していなかった、はずだ。でも、性別を超えた友情は、人によっては理解ができない。

赤田の婚約者・白石（田辺桃子）が言いたいこともわかるのだ。「何もない」と言われても、男女が密室で会うのはイヤだろう。あなたがそうだったとしても、相手は？と思うなというのは無理な話だ。だが、10年以上も温めてきた友情を、一方的な価値観で打ち切られてしまった潮の気持ちは？　結婚式で歌うと約束した木村カエラの「Butterfly」とともに赤田を見送る潮は、静かに孤独を飲み込むしかない。