最も続編が待たれる日本のドラマは…? 史上最高の民放ドラマ5選。パート2が作られれば大ヒット間違いなし…珠玉の名作を厳選
毎年、数多くのドラマ作品が誕生する中、時として社会現象を巻き起こすこともある民放ドラマ。人気作品ほどシリーズ化し、長く愛される傾向が強い中、事情により単発で終了したり続編製作が不可能となってしまう名作も少なくない。今回は、今こそ続編が観たい名作民放ドラマ5本を厳選し、作品の魅力を解説しながらご紹介する。(文・寺島武志)
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堺雅人の強烈な毒舌早口が炸裂!
『リーガルハイ』(2012、2013)
放送期間:第1期:2012年4月17日~6月26日、第2期:2013年10月9日~12月18日
放送時間:第1期:火曜21:00~21:54、第2期:水曜22:00~22:54
放送局:フジテレビ系
脚本:古沢良太
最高視聴率:第1期:14.5%、第2期:21.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)
キャスト:堺雅人、新垣結衣、田口淳之介、生瀬勝久、小池栄子、里見浩太朗
【作品内容】
性格が最悪だが法廷では必ず勝つ敏腕弁護士の古美門研介(堺雅人)と、古美門の部下で、正義感の強い新米弁護士の黛真知子(新垣結衣)がコンビを組む法廷ドラマ。
裁判に勝つためなら全く手段を選ばない古美門の辣腕ぶりに、新人の黛は振り回されながらも、お互いに毒を吐き合いながらあらゆる訴訟を勝利に導いていく物語。
いわゆる“法廷もの”のドラマでは最高峰ともいえる名作ドラマである。2012年の第1期、2013年の第2期に加え、2013年、2014年にもスペシャルドラマとして制作・放送され、いずれも高視聴率を記録。さらに、「ギャラクシー賞」「ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞」なども受賞、2019年に行われた「弁護士が選ぶ法廷ドラマ人気ランキング」では1位を獲得している。
【注目ポイント】
ストーリーの中に、『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』、『半沢直樹』といった過去の名作へのオマージュを散りばめるなど、遊び心もあった本作。作中で取り扱われる事件や、登場する企業、人物などが現代社会とリンクするような、いわゆる時事ネタが盛り込まれているのも特徴の一つである。
また、「正義は金で買える!」と豪語するほどの古美門は、一見、破天荒な人格破綻者であるが、裁判のクライマックスシーンでは、真面目な態度で社会の真理や人のあるべき姿を熱く訴えかけたり、民意を問いただす。それにより視聴者の悩みを代弁したり、問題提起をするという一面も見せた。
さらに、エキセントリックな古美門と真面目な黛の2人が早口で口論するシーンは、このドラマにおいて見どころのひとつだ。古美門は早口長セリフのパートが特に多く、その勢いは回を増すごとにヒートアップ。演じた堺雅人は後に、早口のセリフは「時短で見られてたまるかと思って、絶対に倍速視聴では聞き取れないように喋った」と振り返っている。
放送から約10年経った今でも続編を望む声は多いが、10年経ってしまったからこそ、キャスト陣もそれぞれの立ち位置が変わってしまい、続編を作るとしても当時の設定どおりでやるには難しいだろう。
また、主要キャストの1人であった田口淳之介は後に所属事務所を退所。さらにその後の不祥事により、続編はおろか、現在、再放送や配信もされていない“お蔵入り”の作品となってしまったと言われている。
本作をどうしても見たければ、DVD・Blu-rayをレンタルするか、ボックスを買うしかない状態だ。ちなみに本作は2019年、韓国でリメイクされている。