第35回東京国際映画祭。審査委員長はあの女性監督! 青山真治監督追悼特集など主要企画が決定【10月24日より開催】
2022年10月24日(月)から11月2日(水)の期間にかけて開催される、第35回東京国際映画祭。9月21日に予定されているフルラインナップ発表会に先がけて、コンペティション部門の審査委員長と主要企画の概要が発表された。Nippon Cinema Now 部門では、今年3月に逝去された青山真治監督特集も予定されている。
コンペティション部門の審査委員長は『グロリアス 世界を動かした女たち』などを手がけた女性監督・ジュリー・テイモア
映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長は、舞台「ライオンキング」(1997)の演出や、映画『タイタス』(99)『フリーダ』(2002)、『アクロス・ザ・ユニバース』(2007)、『グロリアス 世界を動かした女たち』(2020)などを監督した舞台演出家・映画監督のジュリー・テイモア。昨年のイザベル・ユペールに続き、女性が審査委員長を務める。
コンペティション部門の審査委員長就任を受け、ジュリー・テイモアは日本の映画ファンに向けて、次のようなメッセージを寄せた。
■ジュリー・テイモア:
芸術は私たちを混沌の中から導き出し、道を切り開く道標です。暗い劇場の中、目の前で明滅する映像は、私たちを深く引き込み、孤立した単一の自己存在から引き離します。
映画館で作品にひたってください。そこは、私たちがまったく知らないこと、知っていると思っていること、個人的に経験したことの境界をともに越えさせてくれる宮殿です。
他人の人生や愛に没入して、鼓舞され、苦悶させられてください。第 35 回東京国際映画祭のコンペティション部門国際審査委員長として来日できることを、とても光栄に思います。
日本映画の未来を背負う映画人に贈られる黒澤明賞が復活!
今年の東京国際映画祭では、日本が世界に誇る故・黒澤明監督の業績を長く後世に伝え、新たな才能を世に送り出していくために、世界の映画界に貢献した映画人、そして映画界の未来を託していきたい映画人に贈られる賞である、黒澤明賞が復活。
過去にはスティーヴン・スピルバーグ、山田洋次、侯孝賢などが受賞している同賞。今年は、山田洋次監督、仲代達矢氏、原田美枝子氏、川本三郎氏、市山尚三東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの5名の選考委員により選ばれる。
受賞者は後日発表。また、同賞に合わせ、「黒澤明の愛した映画」と銘打ち、ヴェルナー・ヘルツォーク監督作品『フィツカラルド』(1982)、ヴィクトル・エリセ監督作品『ミツバチのささやき』(1973)など、黒澤明が愛した世界の名作も上映予定だ。