「リリー・フランキーの弟子」画家・BABIが愛する“セリフとラストが熱い”映画(3)「ホラー映画のフロンティア精神に打たれている」
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語ってもらうインタビュー企画。今回登場するのは、「リリー・フランキー『スナック ラジオ』」(TOKYO FM、毎週土曜16:00~16:55)に出演する画家・BABIだ。リリー・フランキーの弟子である彼女が選ぶ5選は?(取材・文:司馬 宙)
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ホラー映画の“フロンティア精神”をくすぐる
新感覚ホラー映画
『イット・フォローズ』(2014年)
ーーーこれは、ちょっと変わったホラー映画というか…。
「そうですね。私、ホラー映画は「あ行」から「わ行」まで全部観てるくらい大好きで(笑)。最初の30分くらい観てると大体その後の展開が分かっちゃうくらい好きなんですけど。
で、なんでホラー映画が好きかというと、他のジャンルの映画だと、良い役者を使ったり、お金を使ったりしないと、チンケな映画になっちゃうじゃないですか。でも、ホラー映画って、『パラノーマル・アクティビティ』(2007年)もそうですけど、観客がゾッとする新しいアイデアを発明できればヒットするんですよね。この『イット・フォローズ』は、久しぶりにそんな感覚になった作品です。
ちなみに、『イット・フォローズ』の前に好きだったのは『ムカデ人間』(2009年)ですね(笑)。あのシチュエーションもみんな一回は想像したことがあると思うんですけど、とにかく新しかった」
ーーーホラー映画のフロンティア精神に打たれているっていう発想は面白いですね(笑)
「夢ありません? やっぱりホラー映画にはすごくワクワクを感じていて、新しいホラー映画が出るとすぐに見ますね」
ーーー確かに『イット・フォローズ』はどちらかというと憑依するものは登場するけど、霊そのものは出ないですよね。
「そうですね。『ムカデ人間』の場合は、自分に起こることってあまり想像できないですよね。でも、この作品は、セックスをすることでどんどん伝染していくんですよね。
で、セックスはみんなするじゃないですか(笑)。だから、もし自分の身に起きたらどうしようって。そういう怖さもあると思います」
ーーー日常の延長線上にある恐怖ということですね。
「私も、はじめて見たとき、4、5人で観たんですけど、観終わった後、あんなに会話が弾んだことなくて、友達と(笑)」
ーーー弾んだんですね(笑)
「超弾んだんですよ! (笑)。だって相手に変なヤツが追いかけてくるって伝えないと、また自分に戻ってくるわけじゃないですか。だから、早く相手に伝えないといけない。
でも、伝えたところでそんなこと信じてくれるわけがないじゃないですか。まじで辛い、みたいな話をしていて(笑)。
で、私たちが考えた解決策は、「遠い海外に行って知らない人とヤる」ですね(笑)。でもわざわざ海外に行って自分に返ってきたときの無念はすごい。せっかく海外まで行ったのに、みたいな(笑)」
ーーー(笑)でも確かに、ホラー映画って普通はセックスしたら悪いことが起きるという発想のものが多いと思うんですけど、『イット・フォローズ』の場合はどんどんヤッていかないといけないわけですね。
「そうそう! (笑)個人的にオチはいまいちだったんですけど、ストーリーのアイデアは最高だなと思いました」
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