昭和を愛するインフルエンサー・阪田マリン、心の映画(1)「300円の水鉄砲で真似した」 流行語を生み出した青春映画
各界で活躍する著名人に「人生に影響を与えた映画」をセレクトしてもらい、その魅力を語っていただくインタビュー企画。今回登場するのは、20代にして昭和カルチャーに真底ハマり、「ネオ昭和」を提唱しつつ、昭和のよさを現代に発進し続ける、阪田マリンさん。そんな彼女に、大好きな昭和の映画を紹介してもらった。(文・ZAKKY)
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【阪田マリン プロフィール】
2000年12月22日生まれの22歳。両親や祖母の影響で、昭和カルチャーの虜となる。服装は昭和だが、靴や髪形などは現代風するなど、昭和と現代をかけ合わせたカルチャーを「ネオ昭和」と名づけ、推進。名称の由来は、映画『AKIRA』の「ネオ東京」からインスパイアされた。そんな「ネオ昭和」をコンセプトに、ファッションやカルチャーを発信する人気インフルエンサーであり、SNSでの総フォロワー数は約20万人。
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吉田カレンとのネオ昭和歌謡プロジェクト「ザ・ブラックキャンディーズ」としても活躍中!
「300円の水鉄砲で真似をした」
流行語になった名セリフを生み出した青春映画の傑作
『セーラー服と機関銃』(1981)
―――まず、セレクトしていただいた映画5本のうち、3本が薬師丸ひろ子さん主演となっていますね。
「とにかく大好きでしょうがないんです! 演技力の凄さもさることながら、角川映画との相性がとても良いと思うんですよね、生意気言うようですが(笑)。歌も上手いですし。あと、誤解を招く言い方かもしれないですが、一般的に言う絶世の美女というわけではないと思うんです。でも、ビジュアルだけではなく、内面からも魅力が滲み出ている方だと感じます。役によって表情も様々に変わりますし」
―――やはり昭和のカルチャーに興味を持たれてから、後追いで好きになられたのですか?
「はい。私が思う“昭和”という時代性・世界観と、とてもマッチしている方なんですね。もちろん、現在でもご活躍されていますが、80年代の薬師丸ひろ子さんと言えば、私の中で憧れの昭和の象徴なんです。 だから、もし違う女優さんが主演でしたら、ここまでハマらなかったかもしれないですね」
―――そんな薬師丸さん主演のお薦め映画を年代順に追っていきましょう。最初に挙げていただいたのが、1981年公開の映画『セーラー服と機関銃』です。
「とても有名なシーンだと思うんですけど 、機関銃をバババババッと撃って「カイカン…」と一言。初めて見た時に「こんな非現実的でカッコいい最高なシチュエーションが存在するのか!」と、興奮しながらすぐにその世界に引き込まれました。
あどけなさの残る高校生が、ヤクザの組長になるなんて、現在ではもちろん、当時でもありえない設定だと思うんですけど、あの時代だからこそ作ることができた昭和のパワーを感じます」
―――10代だったマリンさんには、むしろ新鮮に感じたわけですね。
「その通りです!初めて観たのは、高校生の時だったのですが、300円の水鉄砲を購入し、真似をして、文化祭で披露したり、撮影した動画をSNS上に投稿しましたもん(笑)。大人になろうと頑張っているけど、まだあどけない薬師丸さんの素顔が素敵だなと思いましたね。
口紅を塗って、鏡を見ながら似合ってないなと思っているシーンだとか、そういったひとつひとつの所作が、大人になろうと思っている少女の気持ちを代弁してくれているんですよね。当時、私も早く大人になりたいという気持ちがあったので、共感を覚えました」
―――時代は異なれど、10代のマリンさんの心に刺さったと。
「そうですね。あと、殺し屋の男性と、薬師丸さん演じる星泉が、ちょっといい感じになっていくような恋愛描写もあり、お互いが必要であると認め合う場面にもグッときました。影響関係はないでしょうけど、映画『レオン』にも近い感覚があると思いましたね」
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