中島健人が熱演も…釈然としない展開に賛否? 映画『お前の罪を自白しろ』考察。タイトルに込められた意味とは? 徹底解説
text by ZAKKY
SexyZone・中島健人×堤真一が初共演にして対立する親子を演じた話題作、映画『お前の罪を自白しろ』。入り組んだ2つの事業に隠された政治家の闇、記者会見で明かされる父が犯した「罪」とは。国か家族か、緊迫する24時間を描いた101分を徹底的に解説&考察していく。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
胸が高鳴る緊迫感のあるプロローグ
埼玉県に強い地盤を持つ、政治家一族である宇田家。
閣僚入りを目論む国会議員の宇田清治郎(堤真一)、その長男である揚一朗(中島歩)は、埼玉県議員。そして、主人公・次男の晄司(中島健人)は、父の秘書という立場である。
また、長女の麻由美(池田エライザ)は、地元の市議会議員・緒形恒之(浅利陽介)と結婚し、娘・柚葉を授かっている。晄司は姪である、柚葉のことをとても可愛がっている。
そんなある日、麻由美と柚葉は幼稚園から自転車で帰宅しているところを、並走してきた軽自動車の窓の中から出てきた何者かの手により、突き飛ばされ、真由美は気絶。柚葉は誘拐されてしまう。このシーンは緊迫感が非常にあり、痛々しい。今後、この事件がどう解決されるのか?というサスペンス好きな者たちを期待させ、色んな意味で胸が高まる。
…が、結論から言おう。心躍るプロローグではあるものの、作品を見進めていくと、肩透かしが待ち受けている。
まず、晄司はなぜ父と確執があるのかというと、自身が若くして立ち上げた会社を、晄司を政治家にしたいという父・宇田清治郎の思惑と圧力により、潰されたのだ。
まず、この設定が何だか強引である。そこまで強行なことができるのであれば、「お前は政治家になるんだ!」と、最初から晄司が会社を立ち上げることもできないくらい、縛り付けておけばいいではないか。