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シリーズ途中で強制終了…悪夢の打ち切り超大作映画(4)まさかの大爆死…予想外な大批判の理由とは?

アメリカやイギリスなどで名作と言われるファンタジー小説の映像化。日本で有名なあのヒット映画のなかには、権利の問題があったり、意外にも製作国では興行成績が全然振るわずシリーズの途中で打ち切りが決まってしまう作品がある。今回は、大ヒットと思われた大作5本の魅力を紹介するとともに、打ち切りになってしまった理由を解説していく。

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ボイコット運動が起きた問題作

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(2007)


出典:Amazon

上映時間:112分
監督:クリス・ワイツ
原題:The Golden Compass
キャスト:ダコタ・ブルー・リチャーズ、ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、サム・エリオット、エヴァ・グリーン

【作品内容】

動物の姿の守護精霊と人間が共生する世界。少女ライラが暮らす国では子ども達の失踪が相次いでいた。北の地へ旅立つことになったライラは、真実を映すという羅針盤を託されるが、やがてそれが壮大な争いを巻き起こすことになるー。

『ライラの冒険』(1995-2005)は、作家フィリップ・プルマン氏の3部作小説であり、原作は2001年のイギリス文学賞・ウィットブレッド賞(現コスタ賞)の大賞を児童書で初めて受賞した話題作。

映画版は『ロード・オブ・ザ・リング』を手がけたニュー・ライン・シネマによって製作された。

【注目ポイント】

ニコール・キッドマン
女優のニコールキッドマンGetty Images

両親を亡くし、学寮に預けられている少女とその親友の少年が主人公。おてんばでいたずら好きの主人公像と、圧巻の映像美もさることながら、おとぎ話のような世界観に公開当時、見た子ども達は目を輝かせたことだろう。

しかし、メガヒットが期待されていたものの、興行収入は伸び悩み、莫大な製作費(1億8000万ドル)を考慮すると、物足りない数字。わが国での興行収入も37.5億円とイマイチな結果に終わった。

映画がヒットしなかった理由は、児童書ファンタジー映画のブームが去ったからと言われている。また、映画版には一部宗教的な批判があり、カトリック系の宗教団体らが「子どもに対し無神論を奨励する映画だ」などと訴え、劇場へ行かないよう、原作を読まないようにというボイコット運動が起きたことも原因の一つとして挙げられる。それに対し、原作者のフィリップ・プルマンは続編打ち切りの報を受け、遺憾の意を述べる事態となった。

そんなこんなで続編が製作されることのなかった本作だが、根強いファンと天運は決して見放さなかった。2020年からドラマ版の放送が開始。シーズン3は2023年1月27日よりU-NEXTで独占配信している。

こちらは小説に忠実に作られたことで、原作ファンからの評価も高く、2時間の映画では急ぎ足だった内容を8話にわたり丁寧に語っている。

さらに映画では冒険ファンタジーの色合いが強く、子ども向けに作られた印象が強いが、ドラマでは、哲学や宗教などの要素も深く描かれ、子どもだけでなく大人も楽しむことができる内容となり高い評価を得ている。

映画版を観てお気に召さなかった人も、ドラマ版を観れば、独特の世界観に引き込まれるかもしれない。

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