”夜々”の苦悩が共感を呼ぶ理由は? 細部から見る今田美桜の魅力とは?『いちばんすきな花』第4話解説&感想レビュー
text by あまのさき
フジテレビ系で放送中の『いちばんすきな花』。第4話は夜々(今田美桜)の母親・沙夜子(斉藤由貴)が登場。待望の女の子だった夜々を溺愛する沙夜子は「友達」が出来て変化した夜々を心配するあまり、衝突することに…。今回は、そんな第4話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
『女の子だから』に縛られる夜々の苦悩
「私はお人形だ」と夜々(今田美桜)は言う。母親からも、同級生たちからも、美容室の店長からも、夜々はずっと“お人形”のように扱われていた。母にとっては第四子にして待望の女の子だったからだし、恵まれた容姿が文化祭の売り上げや美容室がお客さんの目に留まるきっかけに繋がると思われるためだった。
でも、そこに夜々の意思はない。
連絡なしに上京してきた母・沙夜子(斉藤由貴)は夜々が部屋着にしているカタツムリのTシャツを「もっとかわいいのを着たら」と言い、部屋にピンクの花を買う。夜々が友だちと約束があると言えば「女の子?」と即座に聞き、食事中に肘をつきながらスマートフォンをいじれば「女の子なんだからやめり」、「お友だちがそうなんやろ?」と問い詰める。
これまでなら、たしかに夜々はそんなことをしなかったのだろうし、沙夜子の言動を黙って飲み込んだだろう。でも、ゆくえ(多部未華子)、椿(松下洸平)、紅葉(神尾楓珠)という理解者に出会った夜々にとって、それはもう耐えられないものになっていた。
「他人のほうが母親より私のことわかろうとしてくれとるもん」「ママは生んだってだけ。お気に入りのお人形を生んでそれで遊んどるだけ」と、自分の気持ちを感情のままにぶちまけた。大粒の涙を目に溜めるその姿は、しかし、そんな風に言いたいわけじゃない、傷つけたいわけじゃないと訴えているようにも見えた。