死ぬほどつまらないゴジラ映画は…? ファンも呆れる失敗作(3)ストーリーが胸糞すぎて…大コケの衝撃作は?
2023年公開の『ゴジラ−1.0』でシリーズ30本目となるゴジラシリーズ。その制作には、円谷英二や本田猪四郎など、日本映画史を代表する才能たちが携わってきた。しかし、70年にも及ぶその歴史の中には、当然成功作とは言い難い作品も。今回は、ゴジラシリーズの中から世間の不評を買ったワースト作品5本を紹介しよう。(文・編集部)
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ストーリーが胸糞すぎる…。
昭和シリーズに終始符を打った“大人向けゴジラ”
『メカゴジラの逆襲』(1975)
上映時間:83分
監督:本多猪四郎(本編)中野昭慶(特撮)
脚本:高山由紀子
キャスト:佐々木勝彦、藍とも子、大門正明、内田勝正、麻里とも恵
【作品内容】
ゴジラシリーズ第15作目で、監督はシリーズ1作目の『ゴジラ』(1954年)の本田猪四郎が務める。
海底に沈んだメカゴジラの残骸を捜索していた潜水艇・あかつき号が怪獣チタノザウルスに襲われ、行方不明になった。調査に乗り出した海洋研究所の一之瀬は、10年前に「恐竜は実在する」と言って世間から追放された真船博士が事件に関係があるとにらんだ。
一之瀬は、真船博士の娘である桂に接触を図るが、桂は、真船は既に死んだと言い、一之瀬を追い返す。諦めきれない一之瀬は、真船の足跡をたどって研究機関を渡り歩き、最終的に桂に真船のすばらしさを伝える。これをきっかけに、一之瀬は桂に恋愛感情を抱きはじめる。
遅すぎた理解者と、社会から爪はじきに会った研究者の娘。二人の出会いがやがて新たな事件へと発展していく。
【注目ポイント】
前作『ゴジラ対メカゴジラ』で登場して話題になったメカゴジラをメインに据えた本作。「最新作メカゴジラ・シリーズ第2作」とのキャッチコピー通り、シリーズで唯一ゴジラ以外のキャラクターがフィーチャーされた作品となっている。
とはいえ、メカゴジラの人気は観客動員に結びつかず、シリーズワーストとなる97万人を記録。1954年以来21年にわたって続いた「昭和ゴジラシリーズ」は一旦終止符を打ち、1984年の『ゴジラ』リブート版まで、9年間休止されることとなった。
本作が興行的に惨敗した理由。それは、本作のシリーズ1、2を争うほどの陰鬱さにある。どちらかといえば明るくにぎやかな印象とは打って変わって、本作は世間から見放された真船博士の悲哀や、一之瀬と桂の悲恋など、どこを切っても重苦しいエピソードが散りばめられており、とても子ども向けの作品とは思えないのだ。
とはいえ、決して駄作ではなく、シリアスな人間ドラマとしては見ごたえ十分だ。そういう意味で本作は、シリーズ最終作にふさわしい「大人向けゴジラ」といえるのかもしれない。
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