意外すぎる結末とは? 謎を解くカギは冒頭にあり? 映画『法廷遊戯』徹底考察&評価。永瀬廉×北村匠海×杉咲花の話題作を解説
text by 寺島武志
2021年「ミステリが読みたい!」新人賞を受賞し話題となった原作映画『法廷遊戯』が現在公開中だ。主演にはKing & Prince・永瀬廉×北村匠海×杉咲花と、若手実力派俳優が演技バトルを見せた。法律家を目指す学生達が巻き起こした悲劇を解説&考察していく。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
ファーストカットを見逃してはいけない
五十嵐律人による同名のミステリー小説を原作とした本作。
五十嵐は、東北大学法学部に在学中、大学で法律を学ぶと同時に「法律の魅力が伝わる小説を書きたい」と小説の執筆を始める。同大学の法科大学院(ロースクール)を修了後、司法試験に合格したが、弁護士にも検察官にもならず、裁判所の事務官や書記官として勤務。
そこで出会った法律上のトラブルに遭遇した人に寄り添いたいと感じ、弁護士に転身する。
司法修習生の間にも執筆を継続し、2020年に、本作の原作となった「法廷遊戯」が第62回メフィスト賞を受賞し、作家デビューした変わり種。現在も大手法律事務所に勤務している“二刀流”だ。
物語冒頭、駅のホームの階段から転げ落ちる男女のシーンから始まる。その時は、この映像が何を意味するかは分からないが、ストーリーが進むにつれ、この出来事が、登場人物の運命を左右する重要な映像であることが分かってくる。
今作、豪華で注目度の高い俳優が揃っており、ポスタービジュアルから敬遠されそうな作品のように感じるが、映画ファンからの評価が高く、重厚で上質なミステリー映画となっている。さらにそこで見せる俳優陣の迫力ある演技も見所のひとつだ。