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『世にも奇妙な物語』史上最高の神回は? もっとも記憶に残るエピソード5選。トラウマ必至…高クオリティ―の放送回をセレクト

text by 編集部

1990年の放送開始以来、根強い人気を誇る『世にも奇妙な物語』。これまでに放送されてきた物語は569話を数え、岩井俊二や三谷幸喜など、今をときめく名クリエイターたちが参加してきたことでも知られている。今回は、30年にも及ぶ同番組の歴史の中から、名作と評される”最恐エピソード”を5本紹介しよう。(文・編集部)

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『世にも奇妙な物語』とは

1990年4月からフジテレビ系列で放映されているオムニバスドラマ。タモリをストーリーテラーに迎え、毎週奇妙な世界に迷い込んだ人物のエピソードを紹介する。1992年までは通常のドラマとして3度シリーズ化されており、その後は毎年2回、「~の特別編」と銘打ってスペシャル枠で放送されている。

容赦ない展開に背筋が凍る…
全国の視聴者にトラウマを植え付けた初期の傑作

『ロッカー』(1990/主演・織田裕二)

悟役の織田裕二【Getty Images】
悟役の織田裕二Getty Images

放送日:1990年5月3日
監督:瀧川治水
脚本:橋本以蔵、土屋斗紀雄
出演:織田裕二、段田安則、菅田俊、斉藤暁

【作品内容】

産業スパイの悟は真夜中に研究所に忍び込み、研究データを盗もうとしていた。しかし、作業中に研究者の佐口邦夫に見つかってしまい、もみ合いの末に殺してしまう。その場を後にしようとする悟だったが、騒ぎに気付いた警備員が見回りにやってきて、とっさに近くのロッカーに身を隠す。

警備員の足跡が遠のきほっと一安心する悟だったが、鍵が壊れていて外に出られない。焦った悟がロッカーの中を見渡すと、壁に死んだ邦夫と彼の婚約者らしき女性が並んだ写真が貼られていることに気付く。悟が隠れたロッカーは死んだ佐口のロッカーだったのだ—。

【注目ポイント】

本作は、1990年放送の第1シリーズの第2回に放送された物語。かなり初期に放送された物語にもかかわらず、多くの人々にトラウマを植え付けた作品として知られている。

本作の恐ろしさは、タイトルになっている「ロッカー」だ。主人公の悟は、狭いロッカーに長時間閉じ込められ、そのままスクラップ工場へと運ばれていく。本作は、そんな悟の視点を軸に物語が進んでいくため、視聴者も悟の恐怖を追体験することになるのだ(閉所恐怖症の人は見ないのが賢明だろう)。

ディテールの描写も見事だ。例えば、ロッカーの壁に貼られた佐口の写真が、観るたびにおぞましい形相に変わっていく。そしてラスト、スクラップ工場のベルトコンベアーを流れる”ロッカーだったもの”に、悟の帽子らしきものが付着している描写には、背筋が凍ること請け合いだろう。

また、本作では、全編に渡ってインダストリアルノイズのようなBGMが全編に渡って使用されており視聴者の不安を存分に煽る。シンプルな設定だが、よくできたサスペンスの傑作だ。

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