2023年、最も期待はずれだったドラマは? 民放ドラマワースト5選。視聴者からそっぽを向かれた不幸な作品をセレクト
2023年はコロナが落ち着き、世の中が平常に戻った年であった。そんな中、テレビ局も生き残りをかけて様々な工夫が施されたドラマが多数存在するが、残念ながら視聴者をガッカリさせてしまった作品もある。今回は、今年最もつまらなかった民放ドラマを5本セレクト。視聴率低迷の原因も解説する。
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「平成回帰」を掲げるもストーリーがベタすぎた?
『真夏のシンデレラ』
放送期間:7月10日~9月18日
放送時間:月曜21:00~21:54
脚本:市東さやか
最高視聴率:6.9%
キャスト:森七菜、間宮祥太朗、神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐、仁村紗和、水上恒司、大西利空、森崎ウィン、桜井ユキ、山口智充
【作品内容】
森七菜が演じる蒼井夏海は、サップインストラクターの傍ら父が営むレトロな食堂を手伝っている。幼馴染の牧野匠(神尾楓珠)に密かに思いを寄せるが、夏海のサバサバとした性格が邪魔をして進展しないまま。
一方、間宮祥太朗演じる水島健人は、一流大学卒、大手建築会社勤務という優等生サラリーマン。バカンスで訪れた湘南の海で夏海と出会い、健人は夏海に惹かれていく。
【注目ポイント】
フジ月9枠で、7年ぶりとなる恋愛ドラマとしてスタートした本作。湘南海岸を舞台にサップのインストラクター・蒼井夏海(森七菜)と、東大卒のエリート・水島健人(間宮祥太朗)を中心に描かれる若者たちのラブストーリーだ。
しかし、フタを開けてみれば、初回の視聴率6.9%を最高に、その数字は下がり続け、平均視聴率5.6%という“大爆死”に終わる。それどころか、放送後にはSNS上でドラマに対するツッコミどころの探し合いで盛り上がる始末だった。
その脚本は、「平成回帰」と狙ったといわれているが、あまりにもベタ過ぎて、平成どころか昭和を感じさせるもの。女3人と男5人を中心とした恋模様も、三角関係だらけで、ワケが分からなくなっていく。
ファンにとっては耳が痛い意見だと察するが、森七菜が月9のヒロイン役を務めるには、やや経験不足だったという声も聞かれる。それをカバーするように間宮や神尾楓珠といった人気俳優がキャスティングされたが、いかんせん脚本が甘すぎて、物語を彩るエピソードも、夏海の貯金を親に持ち逃げされたり、妊娠騒ぎに巻き込まれたりと、“クズ話”しかないのは致命的だ。
最終的には予定調和のハッピーエンドで終わるが、主要キャストにとっては“黒歴史”となってしまった本作。特に主演の森七菜にとっては、今後の女優生命が心配になるほどの低調ぶりだった。
一説によれば、2022年に就任した港浩一新社長による、“回帰路線”の1つといわれているが、完全に裏目に出た形となり、“月9消滅”の噂が囁かれ始めるきっかけとなった。
「面白くなきゃテレビじゃない」のスローガンの下、バブル期には多局を圧倒し続けたフジテレビ。港社長が提唱する“回帰路線”は、まだ始まったばかりだ。あの頃のフジテレビの番組はドラマのみならず、面白いものばかりだった。その思いをブレさせることなく、捲土重来を期待したい。