面白すぎて大満足! 2023年、最高の民放ドラマ(2)アイドル2人の漫才シーンがすごい! 完コピで話題騒然
今や配信作品が増え続け、あらゆるタイプの作品を視聴できるようになり、視聴者はその度に鑑賞する作品の選択に迫られる。そんな中、民放ドラマも負けじと魅力のある作品を制作し続けている。今回は、社会現象となった『VIVANT』をのぞき、クオリティーの高かった民放ドラマをセレクト。作品の魅力も解説する。(文・寺島武志)
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アイドル2人の漫才シーンは必見。若林正恭と山里亮太の半生の物語
『だが、情熱はある』
放送期間:4月9日~6月25日
放送時間:日曜22:30~23:25
放送局:日本テレビ系
脚本:今井太郎
最高視聴率:5.0%
キャスト:髙橋海人(King&Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、光石研、薬師丸ひろ子、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲、中田青渚、箭内夢菜、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、かが屋(加賀翔、賀屋壮也)
【作品内容】
オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太の半生を描いた作品。2021年5月、若林(高橋海人)と山里(森本慎太郎)のユニット「たりないふたり」は、解散ライブを控えていた。
2人がユニットを組んだは12年前。どちらもコンビとしては売れていたが、相方ばかりが注目されていた。元来より「ネガティブな感情」を抱えていた2人は、なぜお笑い芸人を志し、ここまでたどり着いたのか…。
【注目ポイント】
深夜バラエティー番組から派生した、オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太による期間限定漫才ユニット「たりないふたり」の2人の半生を描いた本作。若林をKing&Princeの髙橋海人が、山里をSixTONESの森本慎太郎が演じ、下積み時代にもがき苦しむ姿をパラレルワールド的ストーリーで展開されている。
さらに、若林の相方・春日俊彰を戸塚純貴が演じ、山里の相方・山崎静代を富田望生が演じている。
「友情物語ではない。サクセスストーリーでもない」というナレーションから始まり、売れる前、それぞれがどんな心境でお笑いに向き合ってきたかが、本人が執筆したエッセイと原案とし、2人が置かれた家庭環境も含め、詳細に再現したことで、KADOKAWA主催の「ザテレビジョンドラマアカデミー賞」も受賞した。
髙橋が、やや斜に構えた性格の若林を好演したが、特筆すべきは山里を演じた森本だ。山里の尖りまくったキャラクターと外見を忠実に再現し、ほぼ“完コピ”とさえいえるような役作りをやってのけたのだ。森本は山里にボイスメールを送ってもらい、本人の話し方の特徴を研究していたという。
さらに髙橋と森本は、若林と山里と連絡先を交換し、髙橋は若林から実際のエピソードを聞いて、役作りに生かしていた。主人公の2人のみならず、売れていないのにあくまでもマイペースの春日、山里から提案でコンビを結成するものの、山里の意図を理解できずにダメ出しされ続け、八つ当たりされる山崎も見どころの一つだ。
本作のハイライトは、それぞれのコンビが「M-1グランプリ」を目指すシーン。南海キャンディーズのM-1決勝、さらにオードリーのM-1敗者復活戦の漫才シーンが完全に再現され、その動画がYouTubeにアップされ、お笑いファンの間でも話題になった。
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