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期待外れの大コケ映画は…? 2023年の大失敗映画(3)コナンとマリオに潰されて…米国式改変が最悪の実写版

text by 編集部

今年最も話題となった映画は、宮崎駿の『君たちはどう生きるか』ではないだろうか。他にも『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『ゴジラ-1.0』など、コロナ禍も明けて再び映画の勢いが復活した年であった。一方、期待はずれだった作品もある。今回は大コケした海外映画を5本セレクト。その理由についても解説する。(文・市川ノン)

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世界観が違う…。原作と異なる作風に困惑の声

『聖闘士星矢 The Beginning』


出典:Amazon

上映時間:114分
監督:トメック・バギンスキー
脚本:ジョッシュ・キャンベル、マシュー・ストゥーケン、キール・マーレイ
出演者:新田真剣佑、ファムケ・ヤンセン、マディソン・アイスマン、ディエゴ・ディノコ、マーク・ダカスコス、ニック・スタール、ショーン・ビーン

【作品内容】

漫画、テレビアニメで世界的な人気を博した車田正美原作の『聖闘士星矢』をハリウッドスタッフやキャストが結集して実写化された。

幼い頃に姉と生き別れた星矢(新田真剣佑)は、スラム街の地下格闘場で日銭を稼ぐ生活を送っていた。聖夜はある日、不思議な力を発したことにより、謎の集団に狙われるようになってしまう。そんな彼の前に現れたアルマン・キド(ショーン・ビーン)は、星矢に「小宇宙(コスモ)」の力が秘められていること、そして女神アテナの生まれ変わりであるシエナ(マディソン・アイズマン)を守る運命であることを告げるのだった。

【注目ポイント】

新田真剣佑
新田真剣佑Getty Images

若手人気俳優の新田真剣佑を擁した同作だったが、公開初週の国内観客動員数ランキングは8位と低迷。さらに2週目からはトップ10を外れるなど、早々にヒット作の芽を絶たれた。製作費80億円とも報じられたが、興行収入は10億円にも届かなかったといわれるから、その惨状たるやすさまじい。

そもそも、今作は公開前のビジュアルから「聖衣(クロス)が古代ローマ戦士の甲冑のようで、世界観が違う」という批判的な声が上がっていた。公開後も、原作の作風とは異なるミサイルや銃、航空機などハリウッド映画がすぎる演出に違和感を覚えたファンも多かったようだ。

さらに、原作の魅力のひとつである仲間との絆は描かれず、紫龍、氷河、瞬らが登場しないことも「コレじゃない感」を増幅させたようだ。ネットでは「聖闘士星矢じゃなく、聖闘士星矢の要素を取り入れた作品として見ると面白い」という辛辣な意見も出るほどだ。

また、公開時期においてもライバルが強すぎた。今作公開のタイミングは漫画やアニメ、ゲームを原作にした作品と被ってしまったのだ。同時期の公開作はというと「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「東京リベンジャーズ2」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」であり、どうしても今作の存在が霞んでしまった。

漫画原作のハリウッド実写映画としては「北斗の拳」「ドラゴンボール エボリューション」が悪い意味で語り草となっているが、今作もこの不名誉なラインナップに仲間入りするかもしれない。

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