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期待外れの大コケ映画は…? 2023年の大失敗映画(4)衝撃の右肩下がり…世界中が飽き飽きのこれじゃない感

text by 編集部

今年最も話題となった映画は、宮崎駿の『君たちはどう生きるか』ではないだろうか。他にも『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『ゴジラ-1.0』など、コロナ禍も明けて再び映画の勢いが復活した年であった。一方、期待はずれだった作品もある。今回は大コケした海外映画を5本セレクト。その理由についても解説する。(文・市川ノン)

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要因は観客のスーパーヒーロー疲れ
ヒーロー映画にポリコレは不必要

『マーベルズ』

主演のブリー・ラーソン
主演のブリーラーソンGetty Images

上映時間:105分
監督:ニア・ダコスタ
脚本:ミーガン・マクドネル
出演者:ブリー・ラーソン、テヨナ・パリス、イマン・ヴェラーニ、ザウイ・アシュトン、ゲイリー・ルイス、パク・ソジュン、ゼノビア・シュロフ、モハン・カプール、サーガル・シェイク、サミュエル・L・ジャクソン

【作品内容】

女性ヒーローのキャプテン・マーベルを主役に描いた「キャプテン・マーベル」の続編であり、MCUの一作。キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)と新世代ヒーロー、ミズ・マーベル(イラン・ベラーニ)、敏腕エージェントのモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)は、力を使うたびにお互いが入れ替わってしまうという謎の現象に悩んでいた。そんななか地球に危機が迫る。人類の救うため、そして謎を解明するために彼女らはチームを組み、共闘していくのだった。

MCUに馴染み深いサミュエル・L・ジャクソンも登場し、「梨泰院クラス」のパク・ソジュンは今作でハリウッド映画デビューを果たすなど、豪華俳優も脇を固めた。メガホンをとったのは女性監督のニア・ダコスタ。

【注目ポイント】

女性ヒーロー3人を前面に押し出した今作だったが、興収的にはMCU史上最低を更新する不名誉な記録づくしだった。北米オープニング興行収入は4600万ドル、世界オープニング興収も1億1000万ドル、最終的な世界興収は2億1000万~2億4000万ドルと予想されていて、いずれもMCU史上最低である。日本でも動員において初週2位にランクインしたが、その後特に話題にならなかった。

大きな要因としては、観客の「スーパーヒーロー疲れ」が影響していると指摘されている。劇場版のみならず、ディズニープラスでのドラマ作品などが多数配信され、世界がヒーローに対して飽食しているのがうかがえよう。また、「エンドゲーム以降、ドラマ作品ありきの劇場作品になって付いていけない」といった意見が多く見られ、供給過多なのと観客の熱量が付いていっていないのは間違いないだろう。しかも、数ヶ月後には配信されると分かっていながら劇場に向かうファンも多くはないはずだ。

一方、多様性やポリコレに配慮している作風も、男性メインのファン層とは相性が悪いのだろう。ヒーローモノの熱心なファンは、言ってしまえば「男がかっこよく悪を倒す」という様式美に酔い、カタルシスを得たいのだ。多様性などを否定するつもりはないが、ヒーローモノのファンが映画に求めているものは「それじゃない」のかもしれない。

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