松下洸平の忘れられない演技とは? 最も輝いたキャスト&最高の名シーンは? ドラマ『いちばんすきな花』最終話考察レビュー
フジテレビ系で放送中の『いちばんすきな花』。第11話では、 椿(松下洸平)とゆくえ(多部未華子)と夜々(今田美桜)の共同生活や、これまでに登場したキャラクターたち、そして「男女の友情」の答えが描かれていく。今回は、そんな第11話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
4人の微笑ましい共同生活
なぜか”あの人”たちも大集合
「いちばんすきな花」全11話が放送を終えた。「男女の間に、友情は成立しますか?」をテーマに掲げ、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠という人気も実力も兼ね備えた4人を主演にすえた本作。最終回で提示されたのは、とてもやさしい“答え”だった。
椿(松下)が引っ越すまでの期間、椿宅に“ちょっと住む”ことにしたゆくえ(多部)ら3人。ダブルベットで眠るゆくえと夜々(今田)に対し、家主であるはずの椿がソファで寝ている感じがいい。
紅葉(神尾)は夜勤明けの帰宅で、鍵を見てにやにやする。そうかと思えば、部屋の隅に積まれた段ボールを見て、なんともいえない表情も。
ふと、こんなに感情が表に出る子だっただろうか、と思う。きっと、自分を理解したり、理解しようとしてくれたりする人がいることの心強さが、不安げな表情をしていることが多かった紅葉をやわらかくしたのだろう。3人と出会えたことの意味を感じる。
作りすぎたカレーを食べてもらうために、かねてから椿の家に来たがっていたという椿の弟・楓(一ノ瀬颯)とゆくえの妹・このみ(齋藤飛鳥)を呼ぶことに。
ところが、2人はそれぞれ“共通の知り合い”ということで、椿の元婚約者の純恋(臼田あさ美)と、ゆくえの友だちの赤田(仲野太賀)を連れてきてしまう。恋愛にまつわるいろいろもあって、どう考えても気まずい。
「兄弟たち、バカなの?」という紅葉の言葉がごもっともすぎて、くすりとしてしまう。
でも、純恋は純恋で、見たかった「椿くんが友だちと話しているところ」を見られて満足気だし、赤田は妻の峰子(田辺桃子)にゆくえのことを話し一定の理解を得られたと言っていた。
まるで雪解けのように、相手に感じてしまった物足りなさの解消や、価値観のすり合わせが静かに行われていく。