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2023年民放ドラマ表彰式(5)新人賞にふさわしい役者は? 彗星のように登場…オアシスのような癒しキャラを好演したのは?

text by 寺島武志

2023年も残すところ僅か。今回は2023年の民放ドラマ作品を振り返る「映画チャンネル ドラマアカデミー賞」を開催。「主演男優賞」、「主演女優賞」、「助演男優賞」、「助演女優賞」、「新人賞」、「脚本賞」、「主題歌賞」の7部門から映画チャンネルが独断で選出。今回は今年もっとも輝いた新人俳優を選出する。(文・寺島武志)

「新人賞」
富栄ドラム『VIVANT』(TBS系)

富栄ドラム『VIVANT』第1話より ©TBS
富栄ドラムVIVANT第1話より ©TBS

【他のノミネート】

中沢元紀(TBS系『下剋上球児』)
作間龍斗(日本テレビ系『コタツがない家』)
宮崎莉里沙(フジテレビ系『ばらかもん』)
木戸大聖(テレビ朝日系『ゆりあ先生の赤い糸』)

【授賞理由】

まさに、“彗星のように現れた”といっていいだろう。

『VIVANT』で、警視庁公安部のエージェントとして野崎守(阿部寛)をサポートする重要人物としてキャスティングされたのは、2021年春場所まで土俵に立っていた元力士だった。

当初はバルカ警察のオーディションに参加していたが、その表情の豊かさと身体能力に注目した福澤プロデューサーの抜擢によって、ドラム役を射止め、本作に出演するにあたって、芸名を役名から取った「富栄ドラム」に改名して撮影に臨んだ。ちなみに、その風貌とドラマの舞台設定から、モンゴル人と思われがちだが、神戸出身のれっきとした日本人だ。ちなみに、元力士という経歴を生かし、Netflixオリジナルドラマ『サンクチュアリ-聖域-』(2023)にも出演している。

バルカ共和国人のドラムは、日本語の聞き取りはできるが、喋ることはできないという設定。そのため会話の際に翻訳アプリを使用するのだが、この翻訳アプリの音声を担当しているのが人気声優である林原めぐみだ。その可愛らしい笑顔と翻訳の音声が見事にマッチし、ドラマ内でのオアシス的な存在として人気を博した。

さらに、DVD発売イベントなどにも積極的に出席し、“『VIVANT』の顔”とさえいえる存在となった。

その後、端役ながら、映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』(2023)で、二階堂ふみと再会を果たすなど、着実に実績を積み上げているドラム。続編の製作も噂されている『VIVANT』だが、彼の俳優人生を考えた時、やはりセリフのある役をこなすことは避けて通れないだろう。真価が問われるのは、そこからだ。

(文・寺島武志)

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