えげつない破壊力…ゴジラの必殺技がパワーアップした深い理由。映画『ゴジラ-1.0』徹底考察。放射熱線の描写を深掘り解説
text by 編集部
ゴジラシリーズに登場する怪獣ゴジラの定番の必殺技・放射熱線(アトミックブレス)。米メディアScreenRantによれば、2023年公開の『ゴジラ-1.0』では、この放射熱線に大きな変更が加わり、攻撃に新たな意味が与えられたという。その詳細を同メディアを参考に紹介しよう。
威力が大幅にパワーアップした放射熱線
キノコ雲と放射性降下物が示す”人災としての戦争”
『ゴジラ』シリーズの待望の最新作となる『ゴジラ-1.0』は、批評・商業両面で国内で大きな成功を収めた記録的な作品となった。終戦直後の日本を舞台とした本作ではゴジラの必殺技である放射熱線にまったく新たな意味が与えられている。
ゴジラの十八番としてほぼ全てのゴジラ作品に登場するこの攻撃は、レジェンダリー・ユニバースが製作するゴジラとキングギドラを主人公にしたシェアード・ユニバースシリーズ「モンスター・ヴァース」でその性能が大幅に向上した。しかし、『ゴジラ-1.0』では威力がさらに倍増しており、一度の放射で都市全体を破壊するほどのすさまじいパワーを誇っている。
この爆発は、現実世界の原子爆弾を連想させるものであり、原爆を投下したアメリカと国民を見捨てた日本政府への批判や核爆弾が日本にもたらした甚大な破壊といった本作のテーマに見事にマッチしている。
また作中では、ゴジラの放射熱線により巨大なキノコ雲が生成し黒い雨が降る。この描写は核爆発時の放射性降下物をはっきりと表現している。つまり、これらの描写により本作のテーマはより明確かつ深遠なものとなったのだ。
本作に登場するゴジラの破壊行為は人災としての戦争を連想させるものであり、このテーマこそ本作の中核をなしている。
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