ゴジラの見た目がまた変わる…? ハリウッド版最新作『ゴジラxコング 新たなる帝国』アダム・ウィンガード監督が解説
新作『ゴジラx コング 新たなる帝国』の製作を務めるアダム・ウィンガード監督。彼はハリウッドの「モンスターバース」最新作となる『ゴジラx コング 新たなる帝国』にて、怪獣ゴジラの見た目を変更した理由を語った。今回はその詳細内容を現地メディアScreen Rantを参考に紹介していく。
「自分なりのゴジラを作るチャンスを求めていた」
新たなゴジラ誕生
映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』(2024)のアダム・ウィンガード監督。彼は本作に登場する怪獣ゴジラが今までとは異なる姿で登場する理由を説明している。
映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』(2024)は「ハリウッド・モンスターバース・フランチャイズ」の最新作であり、その公開は2024年4月12日を予定している。本作の主演は映画『美女と野獣』(2017)で野獣役を務めた俳優ダン・スティーヴンス、映画『未来のミライ』(2018)の英語版にてお母さん役を務めた女優レベッカ・ホールだ。
英Total Filmの取材に応じたウィンガード監督。彼は取材にて前作の映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)と、映画『GODZILLA ゴジラ』(2014)に登場するゴジラの外見には「連続性」を持たせ、最新作となる映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』では、“自分なりのゴジラを作るチャンス”を求めていたことを説明した。以下がウィンガード監督のコメント全文となっている。
「映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』や、2014年の映画『GODZILLA ゴジラ』のように、登場する怪獣ゴジラに連続性を持たせたかったのです。でも自分自身のバージョンとなるゴジラを作るチャンスは今までにありませんでした。だから今度は、特徴的なゴジラの背中に様々な色を試してみたかったのです。ただ無作為なものではなく、ストーリーに関連したものです」
続けて本作に登場する“コング”の表現について「コングについても同様に新しい表情を与えたかった。髭を伸ばし、白髪を増やしたりしたんだ」と語った。
彼が言及するように、映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』は、ウィンガード監督が初めてモンスターバースに飛び込んだ作品ではない。彼は以前にも、2019年の映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に続く、映画『ゴジラvs コング』(2021)で、怪獣ゴジラとキングコングの物語に挑んでいる。
今回モンスターバースに再び招かれたウィンガード監督は、映画『ゴジラvsコング』の時よりも、怪獣ゴジラという古典的なキャラクターをより自由に創造することができるようになったようだ。
また、映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』は、近年のゴジラ映画の中でも特異な位置づけにある。映画『ゴジラvsコング』が、米映画評論サイトであるロッテン・トマトで76%の高評価を獲得するなど、おおむね好意的な評価を得ているのに対し、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』では42%とその評価を大きく落としている。
さらに、2023年には東宝の映画『ゴジラ-1.0』が公開された。そのため東宝版の怪獣映画『ゴジラ-1.0』の勢いに負け、ハリウッド版のゴジラ映画の印象が弱まる可能性があったため、映画『ゴジラvsコング』では、独自の変更を加えず「モンスターバース」の好評価を維持する必要があったのだ。
ウィンガード監督は、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』以降、ハリウッド版のゴジラ映画の評価を回復させ、ゴジラシリーズをより良い方向へ導くのに貢献したことは事実だ。今は、ウィンガード監督が映画『ゴジラx コング 新たなる帝国』で独自のゴジラ像を描き出し、この流れを引き継いでくれることを願うばかりである。新しく変更された怪獣ゴジラの登場により、ゴジラシリーズに新しい風が吹き込まれる。多くのファンにとって視聴必須の作品になるだろう。
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