実は最悪の結末だった…評判悪すぎてラストが変わった名作映画(1)凄惨すぎてボツ…全く家族向けでない展開は?
映画製作ではしばしば、スタジオの影響や、プレビュー上映の観客の反応などから脚本がリライトされ、映画監督のビジョンが大幅に変更することがしばしばある。とりわけ、結末のリライトは、物語が思いもよらない方向へと変えてしまう場合もある。今回はScreen Rantを参考に、元々のストーリーとは異なる”消えたストーリーライン”を紹介しよう。
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ダークな要素はなくし子供向けの結末に
『ライオン・キング』(1994)
上映時間:88分
監督:ロブ・ミンコフ、ロジャー・アレーズ
脚本:ジョナサン・ロバーツ、アイリーン・メッキ、リンダ・ウールヴァートン
キャスト:ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジェレミー・アイアンズ、マシュー・ブロデリック、ジョナサン・テイラー・トーマス
【作品内容】
サバンナの王として君臨するライオン・ムファサは、王の座を狙う弟、スカーの謀略にはまり暗殺される。王国を追われたムファサの息子シンバは、イボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンというはぐれ者たちと陽気にその日暮らしを送っていた。しかし、幼馴染のメスライオン・ナラから生まれてきた意味と使命を伝えられたシンバは、王となる自らの運命に立ち向かうため、スカーと1対1の決闘に臨む―。
【注目ポイント】
はじめに取り上げるのは、ディズニーアニメの名作『ライオン・キング』だ。
本作の主人公シンバの父親であるムファサは、幼いシンバをムーの大群から救おうとした際にスカーに崖から突き落とされ転落死してしまう。
父の死の真相を知らないシンバは自分の責任と考え、自ら国を去る。しかし、その後、彼は、幼なじみのメスライオン・ナラと邂逅し、国に戻るように説得される。そして、最終的にシンバは、炎で燃え上がるプライド・ランドでスカーと決闘し、勝利を収める。
以上が、良く知られた『ライオン・キング』のあらすじだ。しかし、本作には、実はもっとダークな結末が用意されていたことをご存知だろうか。
元々のシーンでは、スカーがシンバをプライド・ロックの崖から突き落とすが、シンバは崖の枝にしがみ付き、なんとか一命を取り留める。そしてスカーは、シンバが生きていることに気づかず、大きな雄たけびを挙げながら炎に包まれ、陰惨な最期を迎える。
なお、このバージョンでは、スカーがシンバを崖から突き落とす際、「Good night sweet prince(お休み、優しい王子様)」とつぶやく。これは、シェイクスピアの名作『ハムレット』で、主人公・ハムレットの親友であるホレイシオが、王子の死を悼む際につぶやく名ゼリフだ。
映画製作者たちは、観客の恐怖心を煽るこの結末で絵コンテまで制作していたようだが、本作をファミリー向けの作品にするため、土壇場でシーンの改良を決断したようだ。
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