似すぎてやばい…原作を完璧再現!漫画実写化、最高のキャラクター(4)悪名高い前例を破壊!最高の演技で実現
人気漫画作品が実写映画化される時、やはり気になるのはキャラクターの再現度だろう。見た目はもちろん、キャラクターの独特のクセや役者本人の持つ雰囲気など、様々な要素をクリアしなければ、視聴者に受け入れてもらうことはできない。そこで今回は、我々のシビアな目をくぐり抜けた実写化映画の再現度が高い俳優を5人セレクトして紹介する。
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漫画の世界観とリアルを曖昧にする見事な演技
高橋一生『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』岸辺露伴
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
出演:高橋一生 飯豊まりえ / 長尾謙杜 安藤政信 美波 / 木村文乃
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
【作品内容】
『ジョジョの奇妙な冒険』ファンであれば、お馴染みどころか、知らない方がおかしい人気キャラ・岸辺露伴。「だが、断る」をはじめとした、名言製造機でもある。天才的な漫画家であり、人間を「本」と化し、その人物の人生・人間性を読み取るという特殊能力(スタンド)・“ヘブンズ・ドアー”の持ち主。あまりの人気ゆえ、スピンオフ作品の主役に抜擢された。
【注目ポイント】
本作はNHKで放送されたドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』を映画化した作品である。岸辺露伴は、個性的な出で立ちをしており俺様キャラであることに加え、漫画のためなら多少の犠牲もいとわない。一度に何本ものペンを持ち、一気に線を描きあげるという妙技を有している。
原作者の荒木飛呂彦といえば、アート性に優れた独特な画風の持ち主であり、細かい書き込みと個性の強いキャラクターは他に類を見ない。加えて『ジョジョ』のキャラクターは、“スタンド”と呼ばれる特殊能力を発揮する守護霊のような存在を召喚して戦い合う。
とはいえ、本作にバトル要素はない。岸辺露伴が、決して見てはいけない「黒い絵」を探しにフランスのルーブル美術館へ行くという内容だ。
ジョジョの実写化といえば、山崎賢人が主演をつとめた『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)という悪名高い前例があり、本作のドラマ化が決まった際、果たして高いクオリティの作品に仕上がるのか、少なからずのファンが不信感を抱いていたことは事実だ。
しかし、そうした不安は杞憂に過ぎなかった。実写版『岸辺露伴』は2020年に第一話が放送されるや、瞬く間に人気に火が付き、ギャラクシー賞テレビ部門で複数の賞を獲得。人気コンテンツに押し上げた立役者は、主演を務めた高橋一生にほかならない。
岸辺露伴と高橋は決して顔の造型が似ているわけでもない。また、原作では20代の設定である岸辺露伴に対し、2023年現在時点で高橋の年齢は43歳と一回り以上離れている。しかし、原作および岸辺露伴の熱烈なファンである高橋は、話し口調や所作、ジョジョ味のあるポージング、表情などで一部の隙もない演技を披露。現実では決して存在しえないようなキャラクターに血を通わせてみせた。
観客をジョジョワールドに引きずりこむ、高橋一生のライフワークにふさわしい作品であると言っていいだろう。
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