奇妙なラストカットに込められた意味とは? 映画『アクアマン/失われた王国』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー
text by 灸怜太
DCシリーズの『アクアマン』の正統派続編映画『アクアマン/失われた王国』が公開中だ。映画『ワイルド・スピード』シリーズのジェームズ・ワン監督とジェイソン・モモアの最強コンビによる本作は面白い? つまらない? 忖度なしのガチレビューをお届けする。(文・灸怜太)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>
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昨今のアメコミ映画としては珍しい
『アクアマン』の正統派続編
あえなく崩壊したというか、壮大な自滅を遂げてしまった「DCエクステンデッドユニバース」の最終作である。
前作『アクアマン』(2018)が大ヒットしたので、続編製作はかなり早い段階からアナウンスされていたが、その間にDC界隈はゴタゴタが続き、シリーズの方向性は二転三転。キャスティングやストーリーにまで大幅な変更があったと伝えられている。
結果的に、他のDCヒーローも絡まず、クロスオーバーも省かれ、昨今のアメコミ映画としては極めて珍しい独立したストーリーの純粋な続編として完成したのが『アクアマン 失われた王国』だ。
アクアマンこと、アーサー・カーリー(ジェイソン・モモア)はちょっぴり複雑な育ちを持ったスーパーヒーロー。親父は人間、母ちゃんはアトランティスの女王、前作で腹違いの弟のオーム(パトリック・ウィルソン)と争って、いまやアトランティスの王となった。本作の冒頭では子供も生まれて、すっかりイクメンになった姿が描かれる。
そんなアーサーに恨みを持ち続ける海賊のデイビッド・ケインことブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)は、強大な力を得るために古代に失われた王国の復活を企てる。