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正真正銘のクズ…。レオナルド・ディカプリオのブチギレ演技が堪能できる映画(4)。怒りMAX! 出血シーンはまさかの…

text by 編集部
ウルフオブウォールストリートGetty Images

アイドルとして人気を博した90年代とは打って変わり、カラダ全体で怒りをに表出する“ブチギレ俳優”へと華麗なる転身を果たした、レオナルド・ディカプリオ。今回はそんなレオ様のブチギレ演技が存分に堪能できる作品をセレクト。怖さを通りこして胸がスカッとする。そして迫力のあまり少し笑ってしまう。必見作が出そろった。

●暴力を愛する悪徳地主を嬉々として怪演。初のタランティーノ作品で当たり役

『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)


出典:amazon

原題:Django Unchained
監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
キャスト:ジェイミー・フォックス、レオナルド・ディカプリオ、クリストフ・ヴァルツ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン

【作品内容】

南北戦争が勃発する直前のアメリカ・テキサス。ドイツ人の賞金稼ぎシュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、追跡中の賞金首をとるため、黒人奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)と旅を共にすることに。奴隷制に反対のシュルツは、賞金首を仕留めるとジャンゴを解放し、賞金稼ぎの相棒にするのだった。

クエンティン・タランティーノの長編8作目となる、元奴隷の黒人ガンマンを主人公とする異色の西部劇。ディカプリオは、黒人奴隷を虫けらのように扱う、悪徳農園主を好演。珍しい助演での出演作ではあるが、その迫真に満ちた演技は各方面から絶賛された。

【“ブチギレ”ポイント】

黒人奴隷たちを闘犬扱いし、傷つけ合う姿を見て楽しむ。そんな残酷極まりない男・カルヴィン・キャンディに扮したディカプリオ。初めて演じた悪役であると言っていいだろう。

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)や『アビエイター』(2004)で演じた役柄も、決してクリーンなキャラクターではなかったが、内面の苦悩が深く描かれることによって、反道徳的な振る舞いもどこか人間臭く、共感のまなざしで見つめることができた。

しかし、本作で演じたカルヴィン・キャンディは倫理性ゼロ。情状酌量の余地はない、正真正銘のクズである。ジャンゴとシュルツの訪問を受け、初めは紳士的な態度で受け入れるが、2人の目論見を見抜くと、突然激昂。机を思い切り叩いた拍子に出血し、血まみれの手で黒人女性の髪をつかみ、机に押さえつけるサマはまさに悪魔。ちなみに、ディカプリオの出血はアクシデントであり、映っているのは血糊ではなく、本物の血液である。

タランティーノならではの長台詞を見事にものにしつつ、徐々に怒りのボルテージを上げ、アクシデントをも味方につけて、映画史に残る“ブチギレ”シーンを残したディカプリオの演技に圧倒されること間違いなしだ。

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