「なぜそうなる!」理不尽改変に激怒…原作者に嫌われた名作映画(5)やらかした…人気キャラが消滅危機に…?
名作と呼ばれる映画作品の中には、元となった原作そのものが名作であることも多い。原作つきのものを映像化する場合、ストーリーの改変やその権利をめぐってのトラブルはつきものだが、中には訴訟問題にまで発展してしまうことも。今回は、原作者やその親族から訴えられた海外映画を5本セレクトしてご紹介する。(文・寺島武志)
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あのスーパーヒーロー・スーパーマンが存続危機?
『マン・オブ・スティール』(2013)
上映時間:143分
原題:Man of Steel
製作国:アメリカ
監督:ザック・スナイダー
脚本:デビッド・サミュエル・ゴイヤー
原案:デビッド・サミュエル・ゴイヤー、クリストファー・ノーラン
キャラクター創造:ジェローム・“ジェリー”・シーゲル、ジョー・シャスター
キャスト:ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、アンチュ・トラウェ、アイェレット・ゾラー、クリストファー・メローニ、ラッセル・クロウ、ハリー・レニックス、リチャード・シフ、マイケル・ケリー、レベッカ・ブラー
【作品内容】
科学や文明が発達した惑星クリプトンが滅びゆく中、ジョー=エルは息子カル=エルを生かそうと地球へと送る。
カル=エルは地球でクラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)としてジョナサンとマーサ夫妻の元で幸せに育てられる。しかし、彼は常に自身に備わった特異な力について悩みを抱えていた。
【注目ポイント】
1978年に映画化第1作が公開され、以降、『スーパーマンIV』(1987)までのオリジナルシリーズに加え、『スーパーマンと地底人間』(1951)、『スーパーマン リターンズ』(2006)といった派生作品、さらに、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)が版権を獲得した後に製作された、いわゆる「DCEUシリーズ」として4作が製作され、新生のDCユニバース(DCU)による新作『Superman: Legacy』も2025年に公開が予定されている不朽の名作『スーパーマン』。
本作は『スーパーマン』のリブート作品であり、地球から遠く離れた惑星クリプトンから地球へ送られたスーパーマンが、クラーク・ケントとして人類に紛れながら、滅亡したクリプトン星から地球人を皆殺しにしようとやってくるゾッド将軍から地球を守るため立ち上がるというストーリーだ。
本作で初めてアメリカ人以外の俳優がスーパーマン役を務め(ヘンリー・カビルはイギリス人)、ケビン・コスナーやダイアン・レイン、ラッセル・クロウといった名優が脇を固める豪華キャストが話題となった。
ところが、思わぬところからトラブルが襲い掛かる。
コミック版の原作者であるジェローム・“ジェリー”・シーゲルとジョー・シャスターの子孫が、「スーパーマン」を主役とした映画を製作する契約が存在しないとしてワーナー・ブラザースを相手取って訴訟を起こしたのだ。
原告側の主張は「著作権法により、かつてワーナーに売却した映画化権は無効」というもの。一方、ワーナー側は、2001年に結んだ契約により「権利付与の終了権」は無効であると反論。
結果は、裁判所がワーナー側を支持する判決を下したため、本作のみならず、その後の「スーパーマン」映画の製作も可能となった。
アメコミとそのキャラクターの著作権問題は複雑であり、「スーパーマン」に限らずアメコミ映画の権利トラブルは他でも多々起きている。
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