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「日本映画の傑作だ」菅田将暉史上最高の演技! おすすめ映画(2)。狂気と涙…衝撃のラストに迫力のクライマックス

text by 編集部
俳優の菅田将暉
写真getty images

大作映画から低予算のインディーズ映画まで、幅広い規模の作品で唯一無二の存在感を発揮。菅田将暉は、今や日本映画に欠かせない存在である。今回は、どんな役柄でも完璧にこなす、稀代のカメレオン俳優である彼の「演技力が堪能できる作品」を5本セレクトした。

●役者人生初の肉体改造をして臨んだリアルなボクシングシーンは圧巻の迫力

『あゝ、荒野』(2017)


出典:amazon

監督:岸善幸
原作:寺山修司
脚本:港岳彦、岸善幸
キャスト:菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、ユースケ・サンタマリア、でんでん、モロ師岡

【作品内容】

 孤児院で育った新次(菅田将暉)は、仲間とともに犯罪行為にふける日々を送っていたが、ある日、仲間から突然裏切られ、少年院にぶち込まれてしまう。

 出所後、行く当てもなく街を彷徨っていると、かつて自身を裏切った男が、とあるボクシングジムに出入りしていることを知る。殴り込みをかける新次だったが、返り討ちにされてしまい…。

 劇作家、詩人、映画監督とマルチな才能を誇った、故・寺山修司が手がけた長編小説の映画化。菅田将暉演じる新次のライバルボクサー・健二には、韓国出身の俳優、映画監督であるヤン・イクチュンがキャスティングされている。前編、後編に分かれており、両方合わせておよそ300分の尺をもつ大作。

【注目ポイント】

 菅田が演じるのは、しがないチンピラから、いっぱしのボクサーへと成長していくキャラクターである。

 物語が進展するにつれて、細身で見るからに不健康そうな体から、鍛え抜かれた肉体へと変貌を遂げる過程は見応えたっぷり。およそ10キロ増量したということもあり、トレードマークのしなやかな身のこなしとは異なる、貫禄のある佇まいをみせているという点でも、異色作だと言える。

 試合シーンの迫力もさることながら、トレーニングシーンも真に迫っており、1人のボクサーの成長を見守るドキュメンタリーを観ているような気分になる。
他方で、コミカルなシーンや濡れ場も多く、劇映画としての見どころにも欠いていない。間違いなく、俳優・菅田将暉の代表作と呼べる1本だ。

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