前作よりはるかに面白い…半信半疑の視聴者をうならせた理由とは? ドラマ『新空港占拠』徹底考察&解説。感想レビュー
text by あまのさき
ドラマ『新空港占拠』(日本テレビ系)。前作『大病院占拠』から1年後、新設された「空港」に舞台を移し、武装集団による占拠事件に、またもや武蔵三郎(櫻井翔)が巻き込まれる…。今回は、物語前半の内容を振り返りながら本作の魅力に迫るレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
空港を占拠した”獣たち”の顔がついに判明!
“最悪な一日”から、早1年。神奈川県内に新設された「かながわ新空港」が武装集団=獣によって占拠された。綿密に練られた犯罪計画と大量の武器。交渉人に指名されたのは、今回も神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井翔)だった。
前作『大病院占拠』で様々な感想が渦巻いていただけに、半信半疑で視聴を開始した人も多いのではないだろうか。だがふたを開けてみれば、不安は杞憂となった。個人的には前回で物語の構造を掴んでいる分、その世界観により没入している感がある。
早くも折り返しを迎えた『新空港占拠』。立てこもった獣たちは5話までに全員仮面を外した。ここからはじまる新章を前に、前半戦を振り返りたい。
着々と占拠を進めるなかで怪しげな舞を披露する龍の指揮によって、獣たちは手際よく空港を外部から侵入不能の要塞へと変えていく。人質には、武蔵の姉で神奈川県議会議員を務める二葉(奥貫薫)も含まれていた。獣たちは動画配信をはじめ、その通信で武蔵と交渉すると宣言。
獣たちが最初に標的としたのは、空港の建設に関わった建設会社社長の白河(俵木藤汰)。白河が1年前についた嘘を暴けという。武蔵らがさっそく捜査を開始すると、1年前に白河の秘書が横領をした罪の意識にさいなまれ自殺していたことが発覚。ところが実際には横領の事実はなく、パワハラを告発した秘書を逆恨みした白河でっち上げた嘘だった。