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町田啓太”公任”がクズ発言…随所に盛り込まれた少女漫画の王道的演出とは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第7話考察レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。第7話では、打きゅうというスポーツの催しが開かれる。華やかな会の裏では、ある出来事が…。今回は、まひろにとって苦い記憶となってしまった第7話を振り返る。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

少女漫画の王道展開が盛り沢山の第7話

『光る君へ』第7話より ©NHK
光る君へ第7話より ©NHK

花山天皇(本郷奏多)の寵愛を受けた忯子(井上咲楽)がお腹の子と共に亡くなるという悲しい幕開けとなった「光る君へ」第7話。藤原兼家(段田安則)は安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の呪いが効いたと思い込んでいるが、それはあまりに非科学的すぎる。

実際の死因はわからない。ただ、花山天皇が忯子を愛するあまりに無理をさせたというのも一つの原因なのではないか。そう考えると、道長(柄本佑)の「入内は女を幸せにはしない」というのも一理あると思えた。

そんな中、忯子の兄である斉信(金田哲)は道長、公任(町田啓太)らに気晴らしに打きゅうをしようと言い出す。打きゅうとは、ポロに似た球技。そこに見物客として、倫子(黒木華)やききょう(ファーストサマーウイカ)ら、うら若き乙女たちが招かれる。

道長への思いを断ち切ろうと右大臣家を揶揄する散楽の台本を書いてみたものの、未練をくすぶらせていたまひろ(吉高由里子)も参加することになった。また、なぜか直秀(毎熊克哉)も打きゅうに加わることに。行成(渡辺大知)が、仮病な気もするが腹痛で参加できなくなり、道長が急遽、直秀を連れてきたのだ。

いつもどこかしかめっ面のような表情を浮かべている直秀。だが、まひろの演目を辻で披露している途中、彼はまひろに初めて優しい笑顔を向けた。まひろに対しての恋心があるのかどうかはまだ計りかねるが、この一件で二人の距離がぐっと縮まったことは間違いない。

そこにきての打きゅう。いわば、「ヒロインが好きな男子のサッカーの試合を観に行ったら、なぜかそこにいつも相談に乗ってくれている男子もいた」みたいな展開だが、大石静の脚本はどの作品にも、しばしばこういう少女漫画的描写がある。多分、いや絶対。大石静は少女漫画好きだ。

その後の展開もかなり少女漫画っぽい。道長の活躍ぶりに心をときめかせるまひろ。一方で、まひろと友情を深める倫子もまた、初めて見た道長に好感を抱いた様子だ。おそらく、ここから2人の結婚へと繋がっていくのだろう。かたや、まひろはある出来事をきっかけに道長への思いを捨てる決意をするのだった。

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