史上最低のNHK大河ドラマは? 評判最悪なガッカリ作品(2)主演が謝罪まで…脚本崩壊で嘲笑された迷作は?
1963年に始まり、現在まで連綿と受け継がれてきたNHKの大河ドラマ。2023年現在までに62作ものドラマが作られてきたが、当然、その中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の大河ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)
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視聴者が望んだ「幕末もの」ではなかった…。
“おにぎり大河”と揶揄された迷作
『花燃ゆ』(2015)
主人公:杉文(後の楫取美和子、吉田松陰の末妹で久坂玄瑞の妻)
放送期間:2015年1月4日~2015年12月13日
脚本:大島里美、宮村優子、金子ありさ、小松江里子
最高視聴率:16.7%
主演:井上真央
【作品内容】
吉田松陰の妹として兄を支え、後に高杉晋作ら松下村塾の塾生たちや家族とともに幕末時代を生き抜いていく文(井上真央)の生涯を描いた作品。
松下村塾の塾生たちと交流のあった文は、長州藩士の久坂玄瑞(東出昌大)に嫁ぐ。しかし、禁門の変で久坂は自決し、久坂家は断絶。その後、亡き姉の夫であった群馬県令・楫取素彦(大沢たかお)と再婚し、華族の妻として生きていくことに…。
【注目ポイント】
放送開始当初から視聴率の低さを指摘され、結果的に平均視聴率は12.0%と、2012年の『平清盛』と並び、当時の歴代最低タイを記録することになる。
低調に終わった理由が、主人公が無名に近い女性だったということが挙げられているが、文が何かとおにぎりを握るシーンが登場し“おにぎり大河”と嘲笑されても、主演の井上真央の健気な演技を評価する声や、むしろ知られざる偉人にスポットを評価する声もあり、視聴率だけで判断されるのは、いささか気の毒な感もある。
実際、主演の井上真央が放送中にもかかわらず「私の力不足」と謝罪する事態に追い込まれてしまった。
他のキャストにも、東出昌大、高良健吾、賀来賢人たちイケメン俳優が揃い踏みし“イケメン大河”と呼ばれ、さらにはほかにも“幕末版男はつらいよ”セクシー大河”、”幕末男子の育て方”などのキャッチコピーが躍り、大河ファンからは敬遠された。
時代劇というよりも、時代劇を模したラブコメディーとさえいえるその脚本にも批判が集まり、原作がなく、複数の脚本家によってシナリオが作られたため、整合性が欠き、時代考証が不足しているという声も。とはいえ、キャスト陣は奮闘しているため、今後、再評価されることを祈るばかりだ。
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