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フジ月9ドラマ転落の象徴か…評判最悪の失敗作(3)「気持ち悪い」…年齢差27歳の恋愛にドン引きしたのは?

text by 寺島武志

フジテレビ月曜9時枠のドラマといえば、かつては多くの名作を世に放ち社会現象を幾度も引き起こした、視聴者にとって最も注目を集める枠だった。しかし、中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の月9ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)

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主人公とヒロインの年の差恋愛が「気持ち悪い」という声も…。

『ラヴソング』

福山雅治
福山雅治Getty Images

主演:福山雅治
放送期間:2016年4月11日~6月13日
脚本:倉光泰子、神森万理江
最高視聴率:10.6%
他キャスト:藤原さくら、菅田将暉、夏帆、山口紗弥加、木下ほうか、田中哲司、宇崎竜童、水野美紀

【作品内容】

元プロミュージシャンの神代広平(福山雅治)は夢破れて臨床心理士として働きだす。

神代の元へカウンセリングを受けに来た少女・佐野さくら(藤原さくら)は吃音症でほとんど話そうとしないため、職場にもなじめていなかった。しかし、神代の診療を通じて、好きな歌を歌う時だけは吃音が出ないことを知り、実は本人も自覚していなかった美声を持っており、その才能を見出され、音楽を通じて変わっていく。

彼女が歌う「500マイル」を聞き、その美声と才能に気付いた神代は、さくらの才能を花開かせたいとの思いから諦めかけていた自身の音楽への情熱が再び湧き上がり、音楽を通じて2人は心を通わせて行くハートフルストーリー。

【注目ポイント】

『ガリレオ』(第1シリーズは2007年)で大好評を得た福山雅治を主役に立て、フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞した倉光泰子と、後に『相棒』シリーズ(2000年~、テレビ朝日系)や、TBS日曜劇場『アトムの童』(2022年)の脚本を担当する神森万理江によるオリジナルストーリーの作品だ。

第1話の視聴率は10.6%。しかしこれが本作の最高視聴率で、その数字は下がり続ける一方。終わってみれば、平均視聴率は1桁の8.5%に終わる。

“独身最後の大物”と呼ばれていた福山だが、放送前年の2015年に吹石一恵と電撃結婚。この出来事は、所属事務所・アミューズの株価にまで影響を及ぼし、落ち込む女性が続出する「ましゃロス」なる現象まで起きた。

しかし、本作の失敗の原因はそこにはないだろう。

まず、吃音症をドラマのプロットにしたことで、その症状に苦しむ当事者への偏見が指摘され、一部で炎上する。吃音症というデリケートな問題を軽く扱ったことへの反発の声が上がったのだ。

また、準主役の藤原さくらは、ミュージシャンとして2015年にメジャーデビューしたばかりの“新人”であり、ドラマ出演は本作が初という大抜擢だった。歌唱シーンでは見せ場を作り、その演技力にも一定の評価を受けたものの、ヒロイン役としては、あまりにも経験も知名度も不足していた感は否めない。

さらに、2人の年齢差も問題視された。劇中でさくらは神代に愛の告白をするのだが、その年齢差は27歳。いくら相手が福山とはいえ、これには「気持ち悪い」と、視聴者をドン引きさせた。加えて、ラブストーリーなのか、難病モノなのか芯がぶれてしまった点も要因だろう。

ターゲッティングも曖昧で、若者に訴えたいのか、福山ファンに見てもらいたいのかもはっきりせず、結局のところ、どっちつかずの作品となってしまった。

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