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フジ月9ドラマ転落の象徴か…評判最悪の失敗作(4)衝撃の汚点に…高視聴率男でもコケた大不評の役柄とは?

text by 寺島武志

フジテレビ月曜9時枠のドラマといえば、かつては多くの名作を世に放ち社会現象を幾度も引き起こした、視聴者にとって最も注目を集める枠だった。しかし、中には残念ながら視聴者からの評判が振るわない作品も存在する。今回は、歴代の月9ドラマ作品の中で、特に視聴者から評判が悪かったとされるワースト作品を5本紹介する。(文・寺島武志)

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月9最多主演を誇るキムタクの汚点か

『Priceless~あるわけねぇだろ、んなもん!』

木村拓哉(2009年)
木村拓哉Getty Images

主演:木村拓哉
放送期間:2012年10月22日~12月24日
脚本:古家和尚、櫻井剛、岡田道尚
最高視聴率:20.1%
他キャスト:中井貴一、香里奈、夏木マリ、前田旺志郎、田中奏生、蓮佛美沙子、小嶋陽菜、升毅、藤ヶ谷太輔、イッセー尾形、藤木直人

【作品内容】

誰からも慕われる「ミラクル魔法瓶」の企画開発営業部課長・金田一二三男(木村拓哉)。しかし、見に覚えない嫌疑で突然会社を懲戒解雇されてしまう。

職を失っただけではなく、家や金など、全てを失った貧乏男を主人公がゼロからのスタートを切り、金では買えない物に気付いていく彼の生き様と、それに感化されていく周囲の人々の姿を描いたヒューマンコメディー。

“わらしべ長者”的なストーリーとともに処世術を学んでいき、さらに、金田一が手にした物や、人との繋がりで、「究極の魔法瓶」作りに邁進し、古巣に堂々と勝負を挑む。

【注目ポイント】

40歳を迎えたキムタクがコメディーに挑み、さらに最終回のラストシーンは生中継で放送するなど、奇をてらった演出で製作された本作。

しかし、あまり注目を集めることなく、初回視聴率は16.9%と、キムタク主演ドラマでは初の20%割れのスタートを切る。これは、裏番組でセ・リーグCSファイナルステージ最終戦であった不運も影響した。

その後、やや持ち直したものの、視聴率が20%を超えたのは1度のみで、キムタク主演の月9ドラマとしては、“失敗”との評価を受けてしまう。ドラマそのものは、ザテレビジョンドラマアカデミー賞を受賞するなど、高く評価されていたが、それが視聴率に反映されなかった。それは何故か。

当時、既にラブストーリーのみならず、社会派サスペンスドラマの『ギフト』(1997年・フジテレビ系)や、硬派の経済ドラマ『華麗なる一族』(2007年・TBS系)などに主演し、演技の幅を広げていた木村だったが、こと月9枠となると、『ロングバケーション』(1996年)や『ラブジェネレーション』(1997年)のイメージが強烈過ぎたせいか、ファンのニーズからかけ離れた役柄によって不評を買ってしまったのだ。

その後、木村の月9枠主演は『HERO』第2シリーズ(2014年)を挟み、50歳になった2023年、『風間公親 教場0』まで長い空白期間が生まれることになる。

ちなみに、『風間公親 教場0』で、彼の月9枠主演は11作目にも上り、この数字は、2位タイの織田裕二、竹野内豊、福山雅治の5回を圧倒している。再び彼が月9ドラマに出演するかは全く分からないが、やはり「月9=キムタク」といっても過言ではないのだ。

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