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初回から破格の面白さ…生見愛瑠の演技の凄さとは? ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第1話考察&感想レビュー

text by 菜本かな

”火10”枠で放送中の生見愛瑠主演のドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』(TBS系)。記憶喪失となったヒロイン・まことが、手元に残った男性用の指輪を巡り恋の四角関係を繰り広げる。今回は、病院で目を覚ましたまことが自分を模索する第1話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

めるる初の単独主演ドラマ
自分のアイデンティティを確立する物語

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第1話より ©TBS
くるり誰が私と恋をした第1話より ©TBS

あなたは【本当の自分】を問われて、即答できますか?

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』(TBS系/以下『くる恋』)の公式ホームページに書いてあった文章を読んだとき、思わずハッとした。【本当の自分】って、なんだろう。家族、恋人、友人、仕事仲間……誰の前で見せる顔が、いちばん自分らしいのか。

4月9日にスタートした『くる恋』は、ただの恋愛ドラマではない。記憶喪失となったヒロインが、周囲の証言をもとにアイデンティティを確立していく物語だ。

“めるる”を初めて知ったのは、ティーン誌『Popteeen』でギャルモデルをしていたときだった。そのほかにも、Z世代を中心に爆発的な人気を誇る恋愛リアリティーショー『太陽とオオカミくんには騙されない』(2018、ABEMA)に出演したりと、まさに女子高生のカリスマ的存在だっためるる。

風向きが変わったのは、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系)に出演したあたりからだろうか。演じていたのは、ヒロインの邪魔をするヒールキャラ。このころから、女優・生見愛瑠としての片鱗を示していた彼女は、昨年放送の『日曜の夜ぐらいは…』(2023、テレビ朝日系)と『セクシー田中さん』(2023、日本テレビ系)を経て、確固たる地位を確立。『くる恋』で、満を持してGP帯連続ドラマ単独初主演に挑むこととなった。

本作で生見が演じている緒方まことは、事故で記憶喪失になってしまった24歳。映画『今夜、世界からこの恋が消えても』(2022年)や、昨年放送のドラマ『たとえあなたを忘れても』(テレビ朝日系)など、記憶障害をテーマにした作品というのは、どうしても深刻な雰囲気になりやすい。しかし、まことは自分が誰なのかも分からない状況にも関わらず、わりとポップに生きている。全体的に、悲壮感がないところに“火10”らしさを感じた。

そんなまことの唯一の手がかりは、カバンのなかに入っていた男性用の指輪だ。プレゼントに渡そうとしていたようだが、その相手が誰なのかは思い出せない。候補となっているのは、自称“元カレ”の公太郎(瀬戸康史)、自称“唯一の男友達”の朝日(神尾楓珠)、そして自称“運命の相手”の律(宮世琉弥)。このなかから、まことは本当の恋の相手を見つけ出すことができるのだろうか。

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