ホーム » 投稿 » ドラマ » 名言連発…伊藤沙莉”寅子”のセリフが胸に刺さるワケ。NHK朝ドラ『虎に翼』考察&解説レビュー。岩田剛典登場で波乱の予感?

名言連発…伊藤沙莉”寅子”のセリフが胸に刺さるワケ。NHK朝ドラ『虎に翼』考察&解説レビュー。岩田剛典登場で波乱の予感?

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士になった人物の情熱あふれる姿を描く。第3週では、寅子ら女学部の生徒は法廷劇「毒饅頭事件」を演じることに。しかし、この劇から思わぬトラブルに発展することに…。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

法廷劇「毒饅頭事件」をめぐる騒動が勃発

連続テレビ小説『虎に翼』©NHK
連続テレビ小説虎に翼©NHK

第3週は「女は三界に家なし?」と題し、寅子(伊藤沙莉)が学ぶ女子部存続の危機を乗り越え、卒業するまでを描いた。

寅子が2年生になって半年、60人いたはずの同級生は20人に。そんななか、入学希望者を募るべく、寅子たちは法廷劇をやることに。華族のご令嬢であることから世間の耳目を集める涼子(桜井ユキ)は、実際の事件を元に、学長が用意したあらすじを脚本にする。その上、学校側からあからさまに“客寄せパンダ”的な役割を求められてもいた。いやな感じである。

いざ迎えた本番。劇を観に来たのは女子部への入学を希望している人たちだけではなく、新聞記者や男子学生の姿もあった。そして、例によって男子学生たちは女子部の生徒を茶化す。「弁護士なんかなれない」「だから女は」。ずいぶんと減ってはいるけれどいまだに聞かれるこれらの言葉が、剥き出しで寅子たちを刺す。怯み、傷付き、憤慨する表情に、胸がえぐられるような気持ちがした。

同級生の1人・よね(土居志央梨)が壇上を降りたことをきっかけに、男子学生と乱闘に発展。法廷劇は中止を余儀なくされる。入学希望者の母親たちは顔をしかめて娘の手を引き、新聞には「女が法廷に立つとはこういうことか?」という意地の悪い文字が躍る。

さらにその後、そもそも「毒饅頭事件」そのものが、学長によって改変されていたらしいことを涼子から聞かされる。男に貢いだ挙句に捨てられた女給が饅頭に毒を盛って男に送り、結果的に男の祖父を殺害した……というのが学長が用意したあらすじだったが、実際には毒を盛るよりも前に女は婚姻予約不履行で民事訴訟を起こし勝訴、慰謝料を受け取っていたという。しかも、女の職業は女給ではなく医者で、饅頭に混ぜた毒物も防虫剤ではなくチフス菌だった。

世の中が、女性たちにどんな役割を担っていてほしいと思っているのかが如実に表れていた。無駄な知恵をつけることを嫌がり、意見を言おうとする口をふさいでくる。改めて寅子たちがどれほど茨の道を歩んでいるかを痛感する。

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