改変が天才的で原作超え…最も成功した「漫画のアニメ化」(1)何もかも完璧…感動すら覚える究極の傑作とは?
昨今、ヒットした原作漫画をアニメ化する流れができている。その中でも、改変や、アクションシーンなど、アニメ化したことで原作の売り上げが伸びたや、世間でバズりを作ったアニメが数多く存在する。今回は、原作に負けず劣らず評価の高いアニメを5本セレクト。原作と比較しながら、アニメ版ならではの魅力を解説する。(文・へーボン)
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原作を補足するような描写でパワーアップ
『進撃の巨人』
監督:(1th)荒木哲郎、(2st-3rd)肥塚正史、(4th)林祐一郎
原作:諫山創
シリーズ構成:(1st-3rd)小林靖子、(4th)瀬古浩司
出演:梶裕貴、石川由紀、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、神谷浩史、小野大輔、小林ゆう、朴璐美、下野紘、細谷佳正、逢坂良太、子安武人、三上枝織、橋詰知久、藤田咲
【作品内容】
諫山創氏によって『別冊少年マガジン』(講談社)で連載された超人気作。2009年から連載を開始し、2巻の段階で発行部数100万部を突破した。2013年のアニメ化でさらに人気に火が付き、2014年に発売した13巻は初版275万部という講談社史上、最高記録をたたき出した。
その人気は国内に留まらず、全世界180ヵ国以上で出版され、2023年時点でシリーズ累計1億4000万部を突破した、まさに怪物作品である。
突如として現れた巨人によって、滅亡の危機に瀕していた人類の物語で、人類は巨人の脅威から逃れるために巨大な3重の壁を築き、その内側で100年の安息を手に入れた。しかしある日超大型巨人によって壁が破られ、再び巨人の脅威に晒されてしまう。巨人によって故郷と母親を失った少年エレンは、巨人と戦う兵士となり、巨人を駆逐することを誓う。
【注目ポイント】
息を付かせぬ怒涛の展開と、絶望の中でも戦い続ける兵士たちが魅力的。残酷な展開が多く、読者は何度も泣かされることになる。しかしすぐに次の衝撃展開がやってくるので、不思議と悲しい気持ちは長続きしない。
一度読み始めれば常に続きが気になってしまい、次々と読み進めてしまうだろう。そして、そんな残酷な世界で歯を食いしばりながら生きている登場人物たちは、一人残らず格好良く、読者の心を掴んで離さない。
そんな素晴らしい漫画をアニメ化した本作は、基本的に原作に忠実ながら、原作を補足するような描写や伏線が追加されている。何といっても特筆すべきは立体起動装置によるアクションシーンだろう。ワイヤーとガスで空中を飛び回り戦う姿は大迫力で、そのアニメーションを見るだけでも感動を覚えるほどである。
また諌山氏のデビュー作ということもあり、原作の初期は絵柄が安定しなかったが、アニメであれば1話から最高の絵柄で楽しむことができる。もし絵柄が理由で原作を避けた人がいるならば、ぜひアニメをお勧めしたい。
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