ホーム » 投稿 » ドラマ » なんか引っかかる…「日本で1番優秀なご婦人」の評言に伊藤沙莉“寅子”が首をかしげたワケ。 NHK朝ドラ『虎に翼』レビュー

なんか引っかかる…「日本で1番優秀なご婦人」の評言に伊藤沙莉“寅子”が首をかしげたワケ。 NHK朝ドラ『虎に翼』レビュー

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士になった人物の情熱あふれる姿を描く。第6週では、初めて高等試験を受験する寅子たちが直面する苦難を描く。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

ーーーーーーーーーー

【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

社会に蔓延る無意識的な女性差別

連続テレビ小説『虎に翼』©NHK
連続テレビ小説虎に翼©NHK

「女の一念、岩をも通す?」と題し、寅子(伊藤沙莉)たちが高等試験に挑戦する日々を描いた第6週。浮かんできたのは、社会に蔓延る無意識的な女性差別だった。

明律大学を卒業する年に初めて高等試験を受験する寅子。先輩の久保田(小林涼子)だけが筆記試験に合格するという結果を受けて、大学側は女子部の新入生募集を廃止することを決定してしまった。

不甲斐ない結果に終わってしまったこと、そして自分たちに続くはずだったまだ見ぬ後輩たちの未来を閉ざしてしまったこと。女生徒たちの心痛はいかばかりだっただろう。

だが、ここで黙って引き下がるような人たちではない。崔(ハ・ヨンス)を中心に、大学側に猛抗議。来年合格者が出れば、募集を再開することを約束させる。

男性ならば当然のこととして認められている司法の道への挑戦。それぞれなりに事情があるとしても、彼らは自分のためだけに試験に挑めばいい。なのになぜ、寅子たちは女性であるというだけで、こんなにも様々なものを背負って戦わねばならないのだろう。世の中の不平等を感じ、第6週開始早々にじわじわと首を絞められる気持ちがした。

しかも、最終的に翌年の高等試験を受験することができたのは、寅子、よね(土居志央梨)、久保田、中山(安藤輪子)の4人だけだった。

1 2 3 4
error: Content is protected !!